「おもてなし」って何だ? 感動のサービスを生む仕組み

お客様にご満足いただけるサービスを実現する上で「おもてなし」の心は大切です。しかし「おもてなしが大事って言われるけど、正直ピンとこないよね」という人も多いのではないでしょうか。この記事では、おもてなしを単なるお題目に終わらせないための方法について、当社の考え方をご紹介します。

人によってちがう「おもてなし」

「おもてなしって、具体的には何をすることなんですか?」こう聞かれて明確に答えられる人はどのくらいいるでしょうか。おもてなしの定義というと、一般的には「心のこもった接客のこと」などが想起されると思います。

では、「心のこもった接客」とは、いったいどのような接客なのでしょうか。オペレーターに「心をこめて1件1件のお電話に応対しなさい」と言い聞かせるだけでは、具体性に欠けるため、オペレーターは行動に移すことはできないでしょう。行動が変わらない以上、お客様の満足度に影響を及ぼすことはできず、おもてなしは単なるお題目に終わってしまいます。

おもてなしをカスタマーセンターの行動規範として「使う」ためには、その定義を明確に打ち出し、組織内で共有することが必要です。

 「おもてなし」を定義する

おもてなしの定義に唯一絶対の正解は存在しません。どのような定義が正解なのかは組織によってちがってきますが、多くの組織の参考になりそうな内容として、ここでは、石川県七尾市にある温泉旅館「加賀屋」さんの定義を引用します。

加賀屋にとっての「おもてなし」とは、宿泊客が求めていることを、求められる前に提供することだ。

この定義を、当社では「お客様が求めていることを、お客様に求められる前に提供すること」と一般化しています。そして、新人オペレーターが入社したときの研修で「お客様が求めていることを想像し、その期待に先回りして応えましょう」と指導しています。

 お客様の期待を先回りして察知する

「お客様が求めていること」を、当社では「事前期待」と呼んでいます。事前期待とは、お客様がサービスに対して抱く期待値のことです。事前期待は、2つに大別できます。「お客様が認識している期待」と「お客様が認識していない期待」です。このうち、オペレーターへ指導するときは、特に後者を重点を置いています。

前者については、お客様が言葉で表現してくださるため、オペレーターは特に想像力をはたらかせなくても期待に応えることができます。しかし、後者については、お客様ご自身も認識されていないため、オペレーターは電話の向こうから聞こえる音声情報だけを頼りに、お客様の事前期待を想像しなければなりません。

お客様に「素晴らしい!」と仰っていただけるようなサービスを実現する上では、後者の事前期待を満たせるか否かがカギを握るのです。

お客様の期待を察知するためのヒント

では、「お客様が認識していない期待」をオペレーターが察知するためには、どうすればよいのでしょうか。ここでは、当社の新人研修で指導している内容から、お客様の事前期待を想像するための手がかりをいくつかご紹介します。

1.お客様の属性

お客様の声をもとに年齢や性別を判断し、どういった応対をして差し上げればお喜びいただけるのかを想像します。例えば、ご年配のお客様であれば「説明のスピードはゆったりめの方がいいかな」「専門用語は避けて、平易な言葉を用いた方がいいかな」といった具合です。

2.お客様が話すスピード

スピードについては、お客様に合わせることが原則となります。お客様の話すスピードが速い場合は「手短に説明してほしい」といった事前期待が想像できますし、ゆっくりお話になるお客様であれば「わかりやすく説明してほしい」といった事前期待が想像できます。

3.お客様の感情

お客様の声に表れる感情をくみとり、配慮の言葉を述べることは、お客様にご満足いただく上で欠かせません。
例えば、あるコールセンターへ入ったお電話で、お客様が開口一番「(イライラ気味に)あーよかった。 やっとつながったよ」と仰ったとします。それに対してオペレーターが「はい。本日はどのようなご用件でしょうか」と応答したとしましょう。

このオペレーターの応対は、間違っているでしょうか? 応対の内容自体は、間違ってはいませんよね。

その一方で、この応対に「おもてなし」の心を感じるでしょうか? おそらく、多くの方は「感じない」とお答えになるのではないでしょうか。もし、このオペレーターに「おもてなし」の心があれば、お客様の「(イライラ気味に)あーよかった。やっとつながったよ」に対して「大変お待たせして申し訳ございません。私○○と申します。早速ご用件を承ります。本日はどのようなご用件でしょうか?」といった応対ができるのではないでしょうか。

お客様の仰る言葉だけを額面通りに受け取って応対するのではなく、その言葉に含まれる感情まで想像して応対することが大切なのです。

応対品質コンサルティング.jpg

参考:

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