CS向上のカギは「事前期待」にあり~前編~

CS向上のカギは「事前期待」にあり~前編~

「事前期待」とは?

いきなりですが、質問です。「今月はCS(※)向上に向けた取り組みの強化月間です!顧客満足を高めるために、施策のアイデアを積極的に出していこう!」と言われたら、あなたは何から着手しますか?
※Customer Satisfaction:顧客満足

アンケートを実施して、現状のサービスに対するお客様の声を集めるでしょうか。それとも、現場で働く従業員の声を集めて、オペレーションに改善の余地がないか検討するでしょうか。はたまた、エース格の店員に協力を仰いで、接客のコツを他の店員にレクチャーしてもらうことを企画するでしょうか。

どれが良いアイデアなのかは状況によりますので、ここでは、一つひとつのアイデアについて評価することはしません。ただ、一つ言えることは、弊社がCS向上を目指すとしたら、前述したいずれのアプローチも採用しない可能性が高い、ということです。

では、弊社は何から着手するか。まずは「お客様の事前期待を想像すること」からスタートします。事前期待とは「お客様がサービスに期待する内容の総称」です。お客様がサービスに対して抱く期待値と言い換えてもよいでしょう。

 CSは顧客の事前期待抜きには語れない

そもそもCSとは何なのでしょうか。お客様にご満足いただけるか否かは、どのように決まるのでしょうか。

弊社では応対品質の管理手法にサービスサイエンスの考え方を採用していますが、サービスサイエンスでは顧客満足を次のように定義しています。

顧客満足は「顧客の事前期待の達成度」を評価尺度とした
サービスの総合品質である

これをもう少し噛み砕くと、「CSは、お客様がサービスに対して抱く事前期待を、実際に提供されたサービスが上回ったときに生まれる」ということです。つまり、CSを考える上で、事前期待を避けて通ることはできないのです。

前述の顧客満足の定義にのっとると、顧客の事前期待を無視したCSは成立し得ません。たとえサービス提供者がどれだけ親切心を働かせた結果であったとしても、顧客の事前期待に合っていない(=顧客が期待していない)接客や情報提供は、サービスではなく「迷惑行為」や「余計なお世話」です。その結果、CS向上とは真逆の結果を招いてしまうおそれすらあります。

CSは顧客の事前期待抜きには語れないのです。

事前期待の体系

ここまでCSと事前期待の関係について解説してきました。それでは、事前期待について、もう少し詳しく見ていくことにしましょう。

事前期待には、体系があります(下図参照)。

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それぞれの詳細な解説は別の記事に譲りますが、この中でも、CS向上を考える上でピックアップしたいのは「事前期待の持ち方(赤字箇所)」です。これは、顧客のサービスに対する期待値の抱き方を指しています。サービス提供現場の従業員(以下、オペレーター)が応対するとき、直接的に意識すべきは、この「事前期待の持ち方」です。というのも、「事前期待の持ち方」以外の2つ(「事前期待の内容」と「事前期待の持ち主」)は、オペレーターが直接影響を与えられる要素ではないからです。

事前期待の持ち方にも4種類あります。この4種類を知ったうえで、それぞれに合ったサービスを提供することで、CS向上を実現できるのです。4種類それぞれについては、別の記事で詳述します。

弊社では、サービスサイエンスの考え方を取り入れたコンタクトセンターの応対品質コンサルティングを行っております。電話はもちろんメールやチャットについても、応対品質調査やベンチマーク調査、研修などを承っております。

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