顧客との継続的な関係を築く「サブスクリプションモデル」とは?

ソフトウェアのクラウド化が進むなか、従来のオンプレミス型とは異なり、サーバーの設置やROMの購入、インストールによる手間をかけずに利用できるツールが増えています。その多くが、利用期間に応じて使用料金を支払うサブスクリプション方式をとっており、提供側にとっては継続的な利益が期待できるビジネスモデルとなっています。今回は、「サブスクリプションモデル」の導入を検討する企業に向けて、具体的な事例を挙げながらそのメリットや実践のポイントについてお伝えします。

サブスクリプションモデルとは?

サブスクリプションモデルとは、主にソフトウェアのライセンス契約において使用されてきた用語であり、利用期間に応じて使用料を支払う形態を指すものです。多くの場合、月決めの定額制となっており、利用できるサービス内容に合わせて、いくつかの料金プランが設定されているケースが見られます。

なかでもよく知られているのが、マイクロソフト社が提供するアプリケーションのビジネスモデルでしょう。一般においても使用頻度の高いWordやExcelといったソフトウェアを定額制にすることで、初期導入による利用者側のコスト負担を軽減し、使用頻度や作業量に応じて課金できるといった選択肢もあります。通常の月額制だけでなく、多くの選択肢を与えることで、幅広いお客様層のニーズをつかんでいるのが特徴です。

サブスクリプション方式を用いたサービスの事例

上述したように、サブスクリプションモデルは、ソフトウェア業界から発展した方式です。しかし、新たなビジネスモデルとして注目が集まるとともに、さまざまなビジネスに適用されるようになりました。サブスクリプションを直訳すると「定期購読」「予約金」といった意味があり、現在ではソフトウェアに限らず、定額制の音楽・動画配信サービスやファッションレンタルサービスといったビジネス形態も広がっています。いくつかの事例をご紹介しましょう。

  • Google
    さまざまなツールを提供するGoogleでは、多くのサブスクリプションサービスを取り入れています。サイト分析をサポートする「Googleアナリティクス」や、定番サービスであるメールやカレンダーの一部機能を有料化し、無料版にはないサービスの提供を行っています。
  • Adobe
    画像編集やグラフィックデザインに利用するソフトウェアを提供するAdobe。もともとは販売形式のみを採用していましたが、2013年にサブスクリプション方式に移行しています。売上が増加しただけでなく、その売上の74%が継続課金によるものだとか。サブスクリプションモデルの導入で大きな成功をおさめた例といえるでしょう。
  • 動画配信サイト
    Amazonプライム、Huluといった動画配信サイトは、代表的なサブスクリプション方式のビジネスモデルです。月額課金で動画見放題、または、動画1本あたりへの課金といった販売形式が主流となっており、場所や視聴環境を問わず、手軽にドラマや映画を楽しめるものとして人気を得ています。
  • ファッションレンタルサービス
    主に女性向けのサービスとなるファッションレンタルもサブスクリプションモデルのひとつです。利用者の好みに合わせたアイテムを定額制でレンタルし、気に入った服は買い取れるといった仕組みもあります。洋服のみならず、バッグやアクセサリー、靴などをレンタルできるサービスもあり、トレンド志向の高い女性を中心に注目されています。

サブスクリプションモデルのメリット

サブスクリプションモデルが短期間で広がった背景には、提供側と顧客側の双方おいて、それぞれにメリットが得られる点があります。改めて、サブスクリプション導入によるメリットを確認してみましょう。

提供側が得られるメリット

サブスクリプション方式のサービスを提供するメリットは、なんといっても継続的に安定した売上が確保できることです。月額制にすることで毎月決まった収益を上げることができるため、売上計画が立てやすくなります。また、お客様と継続的な交流を図れる点も大きな利点と言えるでしょう。
従来の買取方式では、お客様との関係は一時的なものでしかありません。しかし、サブスクリプションモデルでは、継続的な接点を持つことが可能で、今後の利用を促すアプローチがしやすい環境にあります。利用期間が長期化すればするほど、収益は安定し、お客様のロイヤルティを高めることにもつながります。また、会員制の仕組みを整えることで、個人情報が入手しやすくなるのも大きな特徴です。このように「顧客一人あたりの利用回数・期間を高めることができる」「データを獲得しやすい」という点は、LTV(生涯顧客価値)を高める効果も期待できるでしょう。

お客様が得るメリット

一方で、お客様にとってのメリットとして、初期費用の負担が軽減されることが挙げられます。導入時にかかる費用を抑えられるため、導入のハードルが低くなり、お試しという点でも気軽です。また、ビジネスユースの場合、買取方式では基本的に「資産」として計上しなくてはいけませんが、サブスクリプション方式なら「経費」として計上できるので、税金対策でも有利になります。

サブスクリプションモデルを成功させるポイントとは?

サブスクリプションモデルの導入は多くのメリットがあるものの、すべての商品やサービスにおいて同様のモデルが実践できるわけではありません。自社が提供する商品・サービスがサブスクリプション方式にマッチするか、以下の点において見極めてみましょう。

  1. 商品・サービスに持続性があるか
    サブスクリプション方式は、定期的に利用してもらうことで、そのメリットが享受できます。そのため、使い切り型の商品・サービスには不向きです。事例で紹介した動画配信サービスのように、お客様が継続的に利用したいと思える商品・サービスに向いています。
  2. サービスの購入頻度はどれくらいか
    継続的に利用する商品でも、利用頻度が年に1回程度ではサブスクリプションの特徴が活かせません。月間もしくは年間ベースでの利用頻度を分析し、頻度の高いサービスにおいてビジネスモデルを展開しましょう。

サブスクリプション方式でLTVを高める

サブスクリプションモデルは、お客様にとって商品やサービスの利用に対するハードルを下げ、お試し導入を促進できるという特徴があります。よりよいサービスを提供し続けることができれば、長期的な利用につながり、企業のLTVを高める施策となるでしょう。自社のマーケティングを進めるうえで、LTV向上は今後のビジネスの成功につながるもの。サブスクリプションモデルの導入を検討し、LTVの高い優良なお客様を育てていきましょう。

 

参考:

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