注目されるプレディクティブマーケティングの手法と活用法

テクノロジー時代の今日、顧客トレンドや消費者行動は非常に速いスピードで変化し続けています。そのため、今後のマーケティングにおいてお客様が“いま”興味を持っていることは何かという現在の行動に基づいた指標で動いていると、あっという間にリアルタイムのトレンドから遅れてしまうことでしょう。

お客様のニーズを先取りするためには、「いま」ではなく「未来」をつかむためのマーケティングプランが必要です。つまり、「次に消費者が求めることは……」と、未来を予測して動いていかなければいけません。そこで今回は、予測マーケティングとも呼ばれる「プレディクティブマーケティング」について考えてみましょう。

プレディクティブマーケティングとは?

お客様がオンラインサイトやSNSを使う際、その行動すべてをデータ化することが可能な現代において、プレディクティブマーケティングでは、その多大なデータを活用し、お客様が次に求める商品やサービスを提案できるようにするマーケティング手法です。

お客様の行動パターンや利用状況といったデータをAIのマシーンラーニングにのせて瞬時に分析し、顧客一人ひとりをターゲットにした商品提供に至るマーケティング活動を可能とします。

AIを使うことにより、「特定の行動や選択をするお客様が、次にとるアクションの確率を分析する」といった情報をまとめることができるようになります。似たような習性を持つお客様をグループ化することで、最適化されたマーケティング活動が選択できるでしょう。

プレディクティブマーケティングの種類とは?

では、実際にプレディクティブマーケティングの手法を確認してみましょう。さまざまな方法がありますが、今回は、代表的なものから2つを紹介します。

eメールを活用したもの

まず、実践しやすい方法のひとつに、eメールの活用があります。お客様の過去における購入履歴、エンゲージメント率などを分析したデータポイントをもとに、細かなターゲティングを行い、対象相手のニーズをついた商品やサービスを提案するeメールを送付します。AIが「過去にこれを購入した、もしくは、この商品に興味を持ったお客様はこの商品も購入する可能性が高い」という分析を基に、購入に至る確率の高い商品を紹介するeメールマーケティングを自動化で行います。

Webのパーソナライズ化

予測マーケティングツールとして、サイト全体を個別化する方法もあります。お客様がとった過去の行動からWebサイト自体を瞬時にパーソナライズすることで、次に求められると思われる情報を紹介し、次のアクションに誘導するというものです。例えば、トップ画像やキャッチコピー、CTAボタンの種類や色などを変化させることによって、個々のお客様の興味を集めることができるでしょう。そうした事例のひとつとして挙げられるのが、映画や番組ストリーミングサイト「Netflix」です。

Netflixのマーケティングゴールは「既存のお客様にもう1カ月契約更新してもらう」というもの。つまり、更新のタイミングを迎えたお客様に対して「次はこれも見てみよう」と思わせることができればマーケティングゴールの達成となります。そこでNetflixは多大なAIデータを解析し、ユーザー一人ひとりに興味を持たせるトップページが表示されるシステムを活用しています。

Netflixのパーソナライゼーションは、ドラマや映画の種類はもちろん、予告プレビューの映像やスクリーンショット、番組の内容説明の文章まで細かく行われています。お客様個々が、どんな映像が好まれるか、どんな画像がよいか、コピー文に興味を持つかという細部に至る分析の結果であり、Netflixにはひとつとして同じトップページはないとも言われています。

なぜプレディクティブマーケティングが必要なのか?

消費者全体がITを活用し始めた現代において、多くの情報が収集できるとともに、求めるものだけをリサーチするお客様が増えてきました。そのため、これまでのようなマス相手のマーケティングではお客様の心に届きにくくなっているのが現状です。

プレディクティブマーケティングを活用することで、パーソナライズ化されたメッセージを送れるようになり個別のお客様に対するアプローチが可能となります。過去の購買行動から分析された次につながるメッセージは、お客様の購入率を高め、自然と利益やマーケティングのROI(投資収益率)アップにつながることでしょう。また、パーソナライズ化されたメッセージは、ブランドに対するロイヤル思考の強化にも役立ちます。収益だけでなく、口コミによるブランドの人気向上にも有効です。

現代のお客様はメール、SNS、オンラインストアなど、多くのタッチポイントを通じてブランドと交流することができるため、プレディクティブマーケティングを行うことで、媒体を問わずシームレスなメッセージングを提供できるようになるのも大きな強みです。

ビッグデータが成功の鍵を

プレディクティブマーケティングの手法は、今後ますます注目されることが予想されます。もちろん、最初からNetflixのような複雑なAIデータ活用をできるとは限りません。しかし、これから「AI」と「ビッグデータ」を組みあわせた手法が広がっていくことは間違いありません。まずは、すでにあるデータを活用したマーケティング手法からスタートし、いずれはビッグデータの分析やAIとの組み合わせを行うことも検討しながら、新たな時代のマーケティングにどう対応するかを考える必要があるかもしれません。

 

参考:

関連記事