フォアキャスティングによるアプローチでマーケティング成果を高めよう

マーケティング施策を立案する際には、目的の達成につながる課題を発見し、それを解決するための施策を考案することが重要です。ここで指す「課題」とは、現状と目的達成に至る未来との中間に流れるギャップであると言えます。ゴールに向かう道筋を考えるうえで、ギャップとなっている差異を的確に捉えられなければ、マーケティングそのものの方向性も迷走し、意図した結果が得られにくくなってしまうかもしれません。

このギャップを発見するアプローチ法として注目したいのが「フォアキャスティング」と「バックキャスティング」です。マーケティング施策を立案する際に役立つ、フォアキャスティングとは何か、またバックキャスティングとの違いはどんな点にあるのかについてお伝えします。

フォアキャスティングとバックキャスティングの違い

フォアキャスティングとバックキャスティングは、どちらも目的達成のための課題を発見するためのアプローチ方法です。もともとは釣り用語として使われていましたが、現在ではビジネスシーンにも広がっています。
この2つの手法は、どこからアプローチをしていくのかという点において、それぞれのスタート地点が異なります。結果的に、発見できる課題も異なるため、状況に応じて使い分けていく必要があります。

フォアキャスティングは、目的達成を目指すに当たり現状を起点として未来を考えるもので、現状や過去のデータを分析して施策を立案する場合に役立ちます。例えば、現状の顧客別売り上げをベースに、来期の重点顧客を決める、といったケースです。

それに対し、バックキャスティングアプローチは、未来のあるべき姿から逆算して、現状すべきことを発見する手法です。主に、中長期的な成長を検討する際に利用されるもので、ゴールとなるあるべき姿から今やるべきことを発見していく流れになります。

それぞれのメリットとデメリットを知っておこう

次々に変化していく市場を前に、先が読みにくい現代。現状の延長ではなく、目標となる姿から思考するバックキャスティング方式が注目されていますが、フォアキャスティングと並行して考えることで、より明確な課題が浮かび上がります。それぞれメリットとデメリットがあるため、状況に合わせた使い分けを行ってみましょう。

上述したように、現状の強みを活かした施策を立案したいのであれば、フォアキャスティングの手法が役立ちます。しかし、現状や過去の情報をベースにしているため、既存のアイデアから逸脱しづらく、革新的な意見が出にくいという一面があります。また、現在の延長線として考察するために、目標が明確になりづらいところもあるでしょう。

一方、バックキャスティングは、未来から逆算することで、これまでとは違ったアイデアが生まれやすいという特徴があります。また、明確なゴールに向かって検討するため、具体的なアプローチ法を提案しやすいでしょう。ただし、将来的なあるべき姿を重視することから、現状から生まれた緊急の状況変化には弱く、短期的な道筋が描きづらいとも言えます。

マーケティングの質を高めるために

フォアキャスティングとバックキャスティングは、相互補完の関係にあるため、それぞれのメリットとデメリットを考慮しながら、状況に応じて使い分けていくとよいでしょう。

フォアキャスティングは、短期的な業績予測をしたいときや、現状の改善につながる手堅いアイデアを発案したいときに有効です。例えば3か月後に見込み客を1.5倍に増やすにはどうすればよいか、といった短期的な施策を立案するケースが挙げられます。

バックキャスティングは、主に中長期的な成長を設計していく際や、これまでの常識にとらわれずに革新的なアイデアが欲しいときに活用してみましょう。例えば、中期ビジョンとして3年後に現在の10倍の売り上げを達成する(現状の施策の延長では達成できない)、今後のAI時代の到来を見据えてマーケティングの仕組みを再構築するなど、将来の目標やビジョンから逆算して現在のやるべきことを設定するのがポイントです。

2つの手法を同時に検討するのは難しいため、どちらかを主軸として、施策を考えてみるのもよいでしょう。普段はフォアキャスティングで現状改善を試みながら、バックキャスティングで目標に向かって別のレールを敷いておいたり、目標設定はバックキャスティングで、具体的なアクションプランはフォアキャスティングで考えたりと、それぞれの視点で検討してみましょう。お互いを補完するような形で活用することで、現状と未来の間にあるギャップがより具体化し、課題解決に向けた道筋が明確になることでしょう。

両面からのアプローチで成果を上げる

フォアキャスティングとバックキャスティングのどちらのアプローチも、目的達成に大きく役立つ考え方です。しかし、どちらか一方に偏ってしまうケースが多く、気が付かないままに落とし穴に陥ることがあります。それぞれのメリットとデメリットを考えながら、状況に応じて適したアプローチ法を選択し、上手に使い分けたいものです。

参考:

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