ポジショニング戦略とは?概要と軸の決め方について

現代の消費者は、1日のなかで多くのマーケティングメッセージを目にしています。そうした状況に慣れた消費者に向けて、漠然とメッセージを送っても「記憶に残してもらう」のは難しいものです。情報にあふれる環境のなかで、ターゲットとなるお客様の心をつかむための戦略は、売上に直結する重要な課題。そこで取り入れたいのが「ポジショニング戦略」と呼ばれるマーケティング手法です。

ポジショニング戦略とは?

「ポジショニング」は、日本語で「位置づける」と訳されます。マーケティングにおけるポジショニング戦略は、競合社と比べたとき、消費者にとって自社の位置づけをどのように認知させるかを考える手法といえます。

ポジショニングの目的

ポジショニングの目的は、自社のブランドアイデンティティをイメージやメッセージで作り上げるとともに、そのメッセージをお客様に伝えながら他社との差別化を行うことにあります。世界的にポジショニングを成功させている例として、ルイヴィトン(高級で持つこと自体にステータスの意味があるバッグブランド)、マクドナルド(安くて手軽な食事を提供するファストフードブランド)といったブランドが挙げられます。他社との明確な違いを生むことで、「OOブランドと言ったらXX」といった認識を作り上げ、ブランドとしての地位を高めることで売上アップが期待できるでしょう。

ポジショニング戦略の作り方

ポジショニングを行いたいと考えたとしても、ブランドイメージにはあいまいな部分が多く、具体的な表現ができるとは限りません。ポジショニング自体が概念的な考えであり、言葉で表すのが難しいと感じることもあるでしょう。そうした理由から、ポジショニング戦略を検討する際には「ポジショニングマップ」を使用し、視覚的に方向性をまとめていくケースが多いようです。

ポジショニングマップでは、ブランドの基盤となる2つの軸に沿ってマッピングを行います。軸の種類としては、「商品自体の特徴」「値段」「質」「商品の使い方」「競合との違い」などがあり、それぞれ独立性のある2つの軸を用いて考えることが重要なポイントです。

参考として、車業界におけるブランドポジショニング例を考えてみましょう。ポジショニングの縦軸を値段、横軸を商品の質として考える場合、値段が高く、質の高い位置にはベンツやアウディといったメーカーが挙げられます。商品の質も値段も中間点にあるのはトヨタ、ホンダ、フォルクスワーゲンなど、そして、安く、質も低いところにはKIAなどがマッピングされます。

このように業界全体の方向性を視覚化しながら自社の位置づけを考えることにより、競合社との差別化を行いやすくなるでしょう。

注意すべき点とは

実際に自社のポジショニング戦略を考える際には、以下のような点において注意しておく必要があります。

現時点でのポジションを明確に

新規事業を立ち上げる場合を除き、まずは現時点における自社ブランドのポジションを明確にすることが大切です。顧客データやアンケートをもとに、お客様目線で自社ブランドがどのようなポジションに位置付けられているのか理解することから始めましょう。そのうえで、どのような差別化を行っていけばよいかを考えるとよいでしょう。

競合社との慎重な比較を

ポジションマッピングによって、競合社と自社の違いを比較するとともに、SWOT分析を加えながら「競合がまだ築き上げていない位置づけ」を探ることで、新たなチャンスが生まれます。より細かなポイントで比較を行いながら、さらに差別化できるポイントを見つけてみましょう。

時にはリポジショニングも視野に

ポジショニング戦略を実践したものの、企業が求めるポジションの位置づけと、お客様がイメージする位置づけが異なっており、具体的な成果につながらないケースもあり得ます。また、世情の変化によって現行のポジショニングを維持することが難しい場合には、戦略を続行するかどうかを再検討した方がよいでしょう。

そんな時は、現行のポジショニング戦略を見直すとともに、ポジショニングを変更する「リポジショニング」も視野に入れて、柔軟な対応を行うようにしたいものです。

 

参考:

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