マーケティングの立場から考えるCRMとは何か

デジタル社会になり、以前のようにマスを対象としたマーケティングメッセージではなく、顧客のセグメントごとにマーケティングメッセージを変えていかないと商売ができない時代となりました。すると、顧客のデータを分析し、効率的かつ効果的なメッセージの配信をすることが必要になります。

そのときに活躍するのがCRMというツールです。今回は、CRMをどのように生かすのか? そして、CRMのその先にはどのようなマーケティングが広がっているのか考えてみましょう。

CRMとは?

CRM (Customer Relationship Management)とは、簡単にいえばスマートフォンの電話帳のようなものです。しかし、CRMは、顧客の名前、住所、電話番号という基本情報に加え、どのような商品に興味を示したか、どのような商品を購入したことがあるかなど、顧客ごとの特徴までを記録し、マネジメントできるツールです。

つまり、CRMは顧客の情報だけでなく、顧客と企業との関係性をオールインワンで管理するツールです。ここで注目すべきところは、「顧客と企業との」関係性ということです。CRMツールの多くには、メールの会話機能がついていることがほとんどです。顧客にとって、同じ企業の別部署から同内容のメールが来たり、同じことを繰り返し説明しなければならないほど面倒なことはありません。CRMの会話機能を使うことにより、営業部の○○が○月○日に顧客Aに「○○」という内容の連絡をした、×月×日には、マーケティング部の××が顧客Aに「××」という内容の連絡をしたというように、顧客と企業との連絡内容をひとつの場所にまとめることができるのです。

マーケティングチームはCRMをどう活用するべきか

5:25の法則をご存じでしょうか。マーケティングの世界では古くから提唱されている法則で、「顧客の離反を5%改善すれば、利益率は25%改善される」というものです。マーケティングチームとして、新たな見込み顧客の獲得をサポートするのは当然ですが、既存顧客の離反を防止するということも重要といえるでしょう。そして、この離反防止に一役買うのがCRMなのです。

既存顧客の購買履歴や行動履歴に目を向けることで、自社製品を購入してもらうための成功パターンを見つけることがマーケターの役割といえるでしょう。

CRMとマーケティングオートメーションの融合

CRMのなかには、マーケティングオートメーション機能がついたマーケティング用のCRMが存在します。マーケティングCRMツールにも、もちろん一般的なCRM同様に基本情報や潜在顧客や既存顧客との関係性を記録する機能がついています。それに加え、マーケティング活動を自動化(オートメーション)することができる機能がついているのが特徴です。

たとえば、ランディングページで基本情報を登録しPDFをダウンロードした既存顧客Aさんがいるとします。その基本情報や、どのPDFをダウンロードし、ウェブ上のどのボタンをクリックしたかというような顧客の行動状況がCRMに登録されます。その際、オートメーションワークフローを設定しておくと、顧客にあったマーケティングメッセージを発信することが可能なのです。

例としては、PDFをダウンロードした1時間後にそのPDFに関係性のあるほかのコンテンツを紹介するEメールを自動配信することや、顧客Aさんが再度ウェブサイトに訪れ、他のPDFをダウンロードした際には違う種類のEメールを自動配信することなどがあげられます。

さらに、顧客がEメールを○回開いた際にフラグが立つように設定すると、マーケティング部は顧客Aさんを購入する可能性のある潜在顧客として営業部に情報を回し、営業部から顧客Aさんに個人的なセールスメールを送るというような流れを作ることも可能です。

マーケティングオートメーション機能がついたCRMを活用することにより、潜在顧客を育て、営業にバトンタッチし、既存顧客にすることが見込めます。すると、セールス、マーケティングファネルの上流から下流までをカバーすることができるようになり、より効果的にマーケティングキャンペーンを行え、ビジネスアップが見込めます。

見込み客から顧客のアフターサポートまで

CRMという概念を理解し、ツールを使いこなすことは、顧客とのコミュニケーションを効率的にできるだけでなく、その顧客との将来の関係性(Lifetime Value)の最大化にも寄与します。また、混同しがちなCRMとMAの役割や機能を知り使いこなすことで、より大きなビジネスを生み出すことが可能になります。

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