オムニチャネルって何?導入で注意することは

マーケティング戦略としてオムニチャネルという言葉が聞かれるようになってきましたが、オムニチャネルとは何を意味するのでしょうか。マルチチャネルとは違うのでしょうか。オムニチャネルの意味や例、オムニチャネルのメリット、導入にあたっての注意点をご紹介します。

オムニチャネルとは

オムニチャネルはマルチチャネルと混同されがちですが、どう違うのでしょうか。

販路つまり販売チャネルには、店舗だけでなくネットの通販サイト、カタログ販売、イベントでの販売などさまざまなものがあります。また、マーケティングや宣伝チャネルにも、チラシやパンフレット、各種広告などがあり、さらに流通チャネルにも店舗での販売から自宅への配達、コンビニでの受け取りなどさまざまなものがあります。マルチチャネルは、こうしたさまざまなチャネルをそれぞれ独立して顧客に提供することで、一方オムニチャネルは、顧客がいつでもどこでも購入できるように各種チャネルを接続して組み合わせたシステムを構築し、顧客に提供するものです。

オムニチャネルが生まれた背景には、インターネットやスマホの発達により消費者の行動パターンが変化していることがあります。総務省の「情報通信白書平成25年度版」によれば7割以上の消費者が、店舗購入時にネットも確認、また、ネット購入時に店頭でも確認するという調査結果が出ており、顧客がある場所で品定めをしてもその場所で購入するとは限らなくなっています。そこで、商品やサービスを宣伝する媒体、選ぶ場所や媒体、発注したり代金を支払う場所や媒体、商品を受け取る場所や媒体をつなげる自社システムを構築して、顧客が他社に流れないようにする必要性が出てきています。

具体的には、店頭で気に入った商品があったが希望の色がなかった場合、その場でその店のECサイトの在庫を確認して、そちらに在庫があれば店頭で決済をして商品は自宅に配達してもらうといったサービスを提供するシステムが、オムニチャネルとなります。こうしたオムニチャネルの構築に積極的な中国の大手ECサイトは、日本の自動車メーカーと連携し、インターネットに常時接続が可能な自動車の開発に乗り出しました。これは車にネット接続機能を搭載して、車に乗ったまま各種決済をしたり駐車場の予約ができたりするようにしたもので、これもオムニチャネルの新しい形といえるでしょう。

オムニチャネルのメリット

オムニチャネルのメリットとして、以下が挙げられます。

顧客の維持

店頭で品定めしてもらっても、希望の在庫がそこにないことや、より安いものがネット販売で提供されていることで、顧客が他社に流れてしまうことを食い止めることができます。

拡販チャンスを逃さない

既存顧客や新規顧客の基本情報、選択から購入、よく利用する受け取り方法などの行動パターンをシステムで一元管理することで、更なる販売チャンスを見逃しません。また、相互につながったひとつのサービスで購入が完結することで顧客満足度が高まり、リピートオーダーにつながります。

在庫の管理と活用

顧客の購買に関わるすべての行動パターンや好みなどの情報を一元化することで、品ぞろえ計画の精度が高まります。また、全社の在庫を販売場所に関係なく活用できるため、在庫の有効活用ができます。

オムニチャネルの導入で注意すべきポイント

オムニチャネルを成功させるためには、各店舗の販売システム、ECサイト、顧客管理システム、マーケティングシステム、在庫管理システム、カスタマーサービスなど、各部門で独立している機能を統合するITシステムの確立が必要です。また、ITシステムの統合だけでなく、社内の各部門担当者の協力体制を奨励するための社員教育も必要となります。

マルチチャネルというのはもともと、店舗で商品を調べたり試したりした顧客が、ネットでより安いものを探して買うショールーミングという顧客の新しい行動パターンに対する危機感から生まれたものです。ですからオムニチャネルを構築しても結果的に他社に流れてしまうことがないように、既存のチャネルだけでなくソーシャルネットも含めたさまざまな利用しやすいチャネルを用意して、自社で完結させるようなしくみを作る必要もあります。

このようにオムニチャネル構築のためにはまとまった投資が必要となりますが、今後はクラウド版も活用した、手軽にできるオムニチャネル構築ツールが出てくることも考えられます。普段からアンテナをはって、情報収集しておくことも大切です。


顧客目線で一括サービスを提供

インターネットの発達により顧客の行動パターンは変わり、単に店頭で品定めをして買うことは少なくなりました。また、ネットでの購入が増えたことで、商品の受け取り方法も変化して多様なサービスが求められるようになってきました。顧客の立場で、商品選びから購入、受け取りまで一括したサービスを提供するのがオムニチャネルです。オムニチャネル導入により、他社と差別化されたサービス提供を検討してはいかがでしょうか。

 

参考:

関連記事