【事例インタビューNo.3(後編)】お客様の本当の課題を知ることが、LTVの最大化につながる

WOWOWコミュニケーションズは、マーケティングソリューション「Plus(+) Solution Service」を導入したクライアントが課題を解決し、自走に導くまでをトータル・サポートします。このソリューションが機能するためには、クライアントが直面する課題を見出すことが重要になります。企画部マーケティング課の小池武さんと伊達香澄さんに、PSS導入の具体的な効果について尋ねました。

データの収集から施策を考えるところまで一気通貫でサポート

――クライアントがPSSを使って課題解決できるまで、どのようにサポートしていくのですか。

小池「WOWOWコミュニケーションズが展開するPSSは、汎用型のアプリケーションのような商品・サービスというより、クライアントの困りごとを聞き、どうすれば解決できるのかをコンサルティングしていくサービスです。どういうデータをどのように収集すればいいのかを一緒に考えるところからお手伝いし、前回お話した『打ち手』を考える部分までサポートする、一気通貫のソリューションといえます。

 さらに、『データ収集・分析によって導き出した施策を提案して終わり』というわけではなく、立てた仮説で現実のビジネスがどう変わるのかを検証します。また、要望があれば、PDCAのサイクルを仕組み化し、クライアントの経営に活かせるところまでサポートします。

 ただ、実際には工程の一部分だけをサービス提供することもあります。クライアントの担当者とゴールを設定し、結果を示しながら、次のステップに進んでいきます」

――その第一歩となるのがデータの収集ですね。

小池「統計分析を行うには材料となるデータが必要となりますが、企業の多くが持っているデータは分析に適した状態になっているとは限りません。システムログは蓄積されているけれども、それを料理できる状態でないことのほうが多い。『誰が』という個人情報を伴ったソースデータとして整理されているケースは、現時点では少ないでしょう。また、仮に個人に関するデータがあったとしても、各項目が虫食い状態になっているケースも多く、One to Oneマーケティングでの活用に耐えうるような状態であることは稀です。

 そこで、クライアントには、まずデータの取り方をサポートすることから始めます。『お客様が抱える課題を解決するために必要なデータは何か』『どのような分析が有効になるのか』『どのような仮説を立てるのか』といった問題について、クライアントの担当者と一緒に考え、データを蓄積するための仕組みをつくります」

――「なぜこの商品を買い求めたのか」という「WHY」の部分、つまりキモチデータが大切だというお話でした。

伊達「おっしゃるとおりです。化粧水を例にお話ししますと、他社商品からクライアントの商品に乗り換えがあった場合に、その理由を聞くことは、単に何本売れたというデータを取ることと比べて、分析・活用の仕方が全く違ってきます。化粧水を買う目的は、「乾燥改善」「美白」などさまざまだからです。

 このキモチデータを蓄積するには、通信販売の電話でのコミュニケーションのなかで、お客様が手に取っていただいたことに対し、まず「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えたうえで、「どうして興味を持っていただけたのですか」と会話を展開し、深層心理にまでたどりつく必要があります。こうして得られた「キモチデータ」をリストにすることも大事です」

――PSSで効果を高めやすい商品やサービスの特長はありますか。

伊達「PSSは、人の気持ちを分析するサービスだけに、単純な消費財よりも、こだわりや思い入れが反映される嗜好品のほうが、高い効果を期待できます。価格やプロモーション次第で購買行動が決まってしまう消費財では、深い分析ができないのです。

 もちろん、嗜好品かどうかは単純に分けられません。一見消費財に見える飲料水でも、健康志向を意識して選ぶ消費者にとっては嗜好品です。ビールでも、なんでもよい人と、このクラフトビールでなければ、と考える人では異なります。商品やサービスに、『文化』や『エンターテインメント』を求める場合は、PSSの効果が期待できるといえるでしょう。消費者が、その商品に込める気持ちが深ければ深いほど、キモチデータの分析は意義あるものになるはずです」

「お客様を第一に考える」ことで見える本当の課題

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――PSSを導入し、成功したケースを教えてください。

小池「最も印象に残っているのは、ある採用メディアに対するデータコンサルティングです。サービスやサポートの価値を向上するために、今までの顧客データを活用しながら、『有益なデータは何か』『コミュニケーションとは何か』を見出す支援に取り組みました。

 お客様がリピートする際に重視するポイントを探るため、現場からヒントを引き出せないかと考え、現場担当者へのインタビューと過去蓄積データからの要因分析を実施し、両者を掛け合わせました。すると、メンバーの意識やノウハウは高いが、各個人の特性にあった担当企業の割り振りがされていないことがわかりました。また、お客様はその属性や採用担当者の特徴によってクラスタに分けることができ、それぞれで満足に至るヒントが異なることもわかりました」

――課題が把握できた後に、どのように改善を促したのですか。

小池「それぞれのニーズに合った案内をする必要があるため、クラスタの特徴に適した現場担当者の特性、常にマッチングした組み合わせを実現できる仕組みを構築しました。クラスタマップの作成により、人材の介在価値の向上と、担当者のレベルにも合わせた業務への実装までをサポートしました。

 顧客情報や現場の声からサービスを見出すことに成功し、これを機にクライアントは事業拡大に取り組むことになりました。別の事業部でも新たなビジネスのサポートをさせていただくなど、Win-Winの関係を築くことに成功しました」

――お客様やクライアントの課題を見出すには、どうすればいいのですか。

小池「WOWOWコミュニケーションズが理想とするのは、『お客様を第一に考えた』サービスの提供です。例えば、アパレルショップを訪れたお客様が、コーデュロイのジャケットが欲しいと店員に言ったとします。ところが、試着してみると、ファッションのプロである店員から見て、まったく似合っていなかった。

 このとき、目先の利益を優先してそのまま販売してしまうのではなく、このお客様が似合うカーディガンを勧めることができるかどうかが大事です。お客様の本当の課題は「コーデュロイのジャケットを買う」ことではなく、「かっこよくなりたい」であること考えると、ファッションのプロの目から見て、本当に似合うのがカーディガンであれば、それを気に入ってもらうように接客すべきです。カーディガンを羽織ってかっこよくなれれば、このお客様はお店のリピーターとなり、LTV(ライフタイムバリュー)も高まるはずです。

 クライアントの考えている課題が、本来の課題と違うことも珍しくありません。大事なのは、『お客様を第一に考える』ことがWOWOWコミュニケーションズの企業理念であることを思い出すことです。お客様に寄り添い、本当の課題を見つけ出し、それを解決するためのサポートができる企業でありたいと思っています」

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