ビジネスを成功に導く、顧客インサイトの重要性と活用例

顧客なくしてビジネスは成り立ちません。よって、ビジネスを成功に導くためには自社の顧客層を理解し、顧客のニーズにあった商品の提供やマーケティング活動をすることが必要不可欠です。

特に、現代はスタートアップ企業がテクノロジーを駆使し、最新のビジネスモデルや売り方で、大手企業と競争する時代です。どちらがより顧客層を理解しているかというところで勝ち負けが決まることもあります。

大手企業には「従来のやり方」というものが存在するでしょう。しかし、10年前の顧客層と現代の顧客層ではニーズが変わってきているのは当たり前。よって、従来のやり方では現代の顧客層に響かず、スタートアップ企業に負けてしまうのです。

だからこそ、日常的に顧客の声を聞き、商品や、顧客へのマーケティング活動を常にアップデートしていくことが大切になってきます。そのためには、顧客の声である「顧客インサイト」を集め、分析し、活用していく必要があります。今回は、そのインサイトをどのように集め、どう活用するべきなのかご紹介いたします。

顧客インサイトとは?

顧客インサイトは、別名で消費者インサイト、もしくは、シンプルにインサイトとも呼ばれます。簡単に言うと、顧客インサイトとはデータを分析した結果得られる、顧客層に関する新しい情報のことを指します。顧客インサイトはマーケティング手法を考える上でのペルソナ像を作り出す役目を果たすほか、顧客にとって何が大切で何が大切でないのか、どのような手法が響き、何が響かないのかがわかり、販売戦略を立てる際にも役立ちます。

そして、顧客インサイトは顧客にとっても、企業にとっても役に立つ情報となります。顧客インサイトを元に顧客ニーズに応えた商品は顧客を満足させ、顧客の購入を促進させることで企業の収入アップへもつながるからです。

顧客インサイトはどのようにして得るべきか

顧客インサイトのなかには、「顧客が気づいてすらいないニーズ」も含まれます。つまり、ありきたりな質疑応答でただ「どのような商品がほしいか」ということを聞くだけでは顧客インサイトとしては物足りません。

顧客にインタビュー形式の質疑応答をする際には、企業が聞きたい質問だけをするのでなく、顧客の心に響くような質問をしてみてください。企業対顧客という環境では、どうしても顧客は回答する際に構えてしまいます。質疑応答という形式にこだわらず、日常会話のように顧客と会話をしてみてください。そうすることで、リラックスした雰囲気でインタビューが行え、顧客の感情レベル、潜在意識レベルの情報を引き出せる手助けとなるでしょう。

インタビューをする際は、顧客の行動にも注意してみてください。顧客のちょっとした言動から見えてくる何かがあるはずです。その際、実際に商品を使ってもらうことも顧客インサイトを得る重要な方法になります。例えば、米国P&Gでは、マジックミラーで仕切られた部屋で顧客に歯磨き粉などの商品を使ってもらい顧客インサイトを取得しています。鏡の裏から研究者が「歯磨き粉を洗面台のどこに置くか、商品のどこを持つか、右手、左手どちらを使うか」というような細かい顧客の行動を観察し、商品開発へと役立てたのです。

インタビューができない場合は、顧客層のSNS上での行動をモニターしてみてください。自社のSNSを「いいね!」している顧客は、ほかにどのような興味を持っているのか、どのような投稿を好んでいるのかというようなことを分析すると、顧客インサイトが見えてきます。

店舗がある企業は、店舗に来る顧客の行動や言動を観察します。顧客はどの商品とどの商品を見比べるか、値札をどのタイミングで見るか、店舗のどの場所に行き、どの場所へは行かなかったかなどを分析するだけでも十分な顧客インサイトになります。実際、人は理由なく行動をとることがあり、「どうして店舗のここへ行ったのか」という質問をしても答えは得られないでしょう。だからこそ、行動を観察することが大切なのです。
店舗がない場合は、オンラインストアの分析ツールを使って「どこをクリックしたか、どのページをどれだけ見ていたか、ページのどこに興味を示したか」など、オンライン上での行動を見てみましょう。

最後に、顧客層が行きそうなイベントに参加してみてください。BtoB企業は、顧客層が出席する展示会に参加してみるといいでしょう。顧客層が興味を持つ場所で顧客の行動を見ることにより、顧客が何を求めていて、それをどう自社のサービス、商品に応用すべきか見えてくるはずです。

これらをする時間がない場合は、多少投資が必要だとしてもマーケットリサーチ企業に顧客インサイトのまとめを依頼することがビジネス成功への近道となるでしょう。

顧客から得たインサイトをマーケティングに活用するには?

顧客インサイトをまとめたあとは、それをマーケティングに活かすことが大切です。ここでは、2つの活用事例を紹介します。

got milk?キャンペーン(カリフォルニア牛乳協会)

「牛乳は健康に良い」――これは誰でも知っている情報です。そのようなマーケティングメッセージでは顧客層に響かないと苦戦していたのがカリフォルニアの牛乳協会。顧客層を集めてグループインタビューを行っている最中、1人の女性が「牛乳を買おうと思うのって、冷蔵庫の牛乳を切らしたときだけ」というような発言を行います。

その「牛乳が必要なのに冷蔵庫にないときに買いたくなる」という顧客インサイトをもとに、「got milk?(ミルクある?)」というマーケティングキャンペーンが誕生します。このキャンペーンは、「got milk?」というタグラインと一緒に「牛乳が欲しくなる食べ物」の絵を大胆に置いただけのシンプルなキャンペーンです。しかし、パンやチョコチップクッキー、シリアルなど、牛乳と一緒に食べたくなる物と牛乳をマーケティングすることで、「一緒に食べる物があるのに牛乳がないとイライラする」という顧客インサイトの真ん中に突き刺さるキャンペーンとなったのです。

リアルビューティーキャンペーン(ダヴ Dove)

石鹸で有名なダヴのリアルビューティーキャンペーンは、テレビで誰もが1回は見たことがあるキャンペーンではないでしょうか。ダヴが行ったさまざまな分析からまとまった顧客インサイトによると、「多くの女性は外側の美ではなく内側の美を褒めてもらいたい」と考えているということがわかりました。

一般的に石鹸、化粧品会社のマーケティングキャンペーンを考えると、「この石鹸を使えばお肌がきれいになる(外側が美しくなる)」というメッセージが思い浮かびます。しかし、顧客インサイトを元にダヴは「リアルビューティー(本当の美しさとは)」というメッセージを掲げ、「ダヴを使う女性は内側から輝いている」という女性の顧客層に響くマーケティングキャンペーンを行いました。

顧客インサイトの活用が成功への近道

顧客インサイトは簡単に得られる情報ではありません。しかし、確にまとめられた顧客インサイトはマーケティングキャンペーンを行う際に他社が突いていないところを突き、顧客の心に響くとてもパワフルなツールとなります。データをまとめ、その情報を活かすことはデジタル時代である現代にビジネスを成功させることに必要不可欠です。


参考:

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