AI活用におけるコンタクトセンターの今後とは?

さまざまなビジネスシーンにおいて、いかにテクノロジーを活用できるかがビジネス成功へのカギとなります。それは、コンタクトセンターでも同じこと。これまで人が対応してきたお客様からのクレームや問い合わせに対し、AIを取り入れる企業が増えています。今後コンタクトセンターはどのようにAIを活用し、テクノロジーと共存していくべきなのでしょうか。

そもそもAIとは?

AIとは「アーティフィシャル・インテリジェンス」、つまり人工知能のことを指します。AIと聞くとロボットをイメージしがちですが、実際のところロボットというより、コンピューターの中に存在するデータの塊のようなものです。

AIは、人間の頭ではとても解読できないようなビッグデータを驚くべきスピードで解析し、データのなかに存在する「パターン」や「意味」を見つけだせるツールのひとつです。コンピューターが学ぶ作業を「マシーンラーニング」と呼びますが、AIはマシーンラーニングにより、常に変化するデータが適合するようにプログラミングできるのが大きな特徴です。ビッグデータだけでなく、大手通販サイトAmazonが提供する「Amazon Echo」にプログラミングされた「アレクサ」のように、言葉を理解する機能も普及しつつあります。

AIの活用方法とは?

AIが行うことのできる「ビッグデータ」「言葉分析」「マシーンラーニング」という3つのツールを使うことで、これまでうまく活用できていなかったデータを今後に活かすチャンスが生まれます。
例えば、より効率的な対応マニュアルを作成したい場合、人の手だけで膨大な録音データから一定のパターンを抜き取るのは大変な作業です。その点、AIを取り入れれば、素早い情報処理ができるだけでなく、細やかなデータの紐づけが可能となります。AIを取り入れることで、これまで活用できていなかったデータを活かせるようになるのです。

では、実際にコンタクトセンター内において、どのようにAIが役立つのか具体的に考えてみましょう。

お客様からの質問内容を予測する

過去のデータを基に、お客様のニーズを予測することもAIが持つ可能性のひとつ。より精度を高めるためには録音音声を分析させるだけでなく、顧客情報や一定の時間帯に多かった質問内容など、あらゆるデータポイントをもとにパターン化させるとよいでしょう。

そうした下準備によって、お客様からの着信があった時点でAIは登録された電話番号から情報分析を始め、予測パターンの処理を行えるようになります。
過去の質問パターンや電話がかかってきた時間帯から、これから始まる会話内容を予測。コンタクトセンターのスタッフが電話に出たときには、想定される質問への回答例を提示するといった準備が整います。それまでマニュアルや手作業で回答を探していたスタッフの手間が省けるとともに、お客様の問い合わせに対して、より早く対応できるという業務の効率化が期待できます。

回答内容を自動的に補佐する

コンタクトセンターのスタッフがお客様の電話応対中も、AIバーチャルアシスタントによるサポートによって、幅広い選択肢を提案できます。会話の内容からさらに次の質問内容を予測し、回答例を提示してくれるため、マニュアルだけでは行き届かない細やかな対応ができるようになります。

例えば、タクシーを呼びたいお客様からコンタクトセンターに電話が入った場合。お客様から「新宿の○○の近く」という曖昧な情報で送迎場所を指定されることがあります。しかし、正確な住所が分からなければ、すれ違う可能性があるでしょう。そのとき、AIを導入していれば、会話の内容から近隣の地図が表示され、周辺の状況を確認することができます。さらに、スタッフが「XXは見えますか」「△はどうでしょうか」と誘導する会話を分析することで、素早く位置の特定が可能となります。

回答を自動化し、必要なお客様に向けて優先的にスタッフ対応を促す

クレジットカードの暗証番号を変更したい、店舗の営業時間を知りたいなど、マニュアル化できる対応については、AIのバーチャルアシスタントの音声による案内や情報処理によって業務の効率化が可能です。より複雑なサポートを必要とされるお客様に対して優先的にスタッフを配置できるため、お客様満足度の向上につながり、LTV(顧客生涯価値)の向上にも役立ちます。

AIと人間の共存も忘れない

AIは「ビッグデータ」「言葉分析」「マシーンラーニング」によって業務の効率化が可能となる優れたツールです。しかし、AIがすべてのコンタクトセンター業務に対応できるようになるまでには、まだまだ時間がかかるでしょう。だからこそ、コンタクトセンターの効率化を果たすためには、AIをどのように活用すべきか検討しなくてはなりません。企業やスタッフの「補佐」という立ち位置で、AIの役割を考えることが大切です。

 

参考:

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