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【コールセンターの将来像】生成AIは、どのような影響を及ぼすのか?

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要約:今後、生成AIは必須。しかし、人がいないと顧客満足度を高められるかは疑問が残る。

生成AIの活用と人の役割:生成AIは便利で、問い合わせに対する自動対応を可能にします。しかし、個人情報の取り扱いや正確な回答にはまだ課題があります。生成AIは迅速な回答を提供しますが、人間が介在することで得られるプラスアルファの情報提供が、顧客満足度を高める鍵となります。

今後は、お客さまとサービスの導線設計が重要:コールセンターは電話だけでなく、メール、チャット、口コミなどの多様なチャネルからの問い合わせに対応する必要があります。特に、複雑なサービスを提供する企業では、顧客が適切な情報にたどり着ける導線設計が求められます。お客さまの複合的な疑問に対し、適切なチャネルと回答が可能な対応ができる設計がなければ、顧客満足度の向上に繋がりにくいでしょう。

お客さまの声の活用が鍵:コールセンターでは、お客さまからの問い合わせ背景を把握し、それをマーケティング情報として活用することが重要です。お客さまの導線を理解し、知りたい内容を適切に捉えることで、コールセンターの価値を最大化することが、未来のコールセンターのスタンダードになるでしょう。※関連資料:インサイトの見つけ方

コールセンターの未来

現代のコールセンター運営は、お客さまの期待に応えることがますます難しくなっています。

電話だけでなく、チャットやメールなど複数のチャネルを通じての応対が求められる時代です。

しかし、それだけでは顧客満足度を高めることはできません。

品質の高い応対を実現するためには、全体的な設計やチャネルごとの最適化が不可欠です。そして、生成AIを筆頭とする、テクノロジーとの連携も重要。

はたして、コールセンターはどのような未来を辿るのか?長年コールセンターの課題解決に関わってきた当社社員に聞きました。

スピーカー

棟方 大輔

新卒でWOWOWコミュニケーションズに入社。入社後はWOWOWのコンタクトセンター運用および業務コーディネートに従事した後、外販の営業を担当。BtoB、BtoCを含めたコンタクトセンターの課題解決に向けたソリューションをはじめとし、”CRM領域”を軸として、顧客体験の向上やデータマーケなど幅広い分野での案件創出を担当。

インタビュアー

原澤 陽

合同会社HARAFUJI Co-Founder COO | 大学在学中の19歳より株式会社ギャプライズにてBtoCデジタルマーケティング、BtoBマーケティング、法人営業に従事。その後、チーターデジタル株式会社にて法人営業を経て、 現在は合同会社HARAFUJIの共同創業者として独立。BtoBマーケティングを中心とした戦略および戦術支援事業に従事している。登壇実績

コールセンターの今後は?

━━━前回「【コールセンターの品質管理】“真”の顧客満足に必要な2つの考え方。」について伺いました。今後も、前回同様の考え方を続けることで、品質が高いコールセンターを作れるのでしょうか?未来のコールセンターに向けて、棟方さんの考えをお聞かせください。

大きく2つの軸があります。

1つ目は、そもそもコールセンターとは「電話を受ける」、その名の通りコールセンターです。しかし、現在はお客さまが問い合わせをする手段はコールセンターだけではありません。

メール、チャット、口コミなど、様々なチャネルから情報を取捨選択し、自分が納得できるものを探しています。

そのため、センターの応対品質だけではなく、各チャネルの応対品質が求められるようになります。

そこで重要となるのが、カスタマーエフォートスコアという指標です。これは、お客さまが解決にたどり着くためにどれだけ労力を使ったかを示すものです。

例えば、Webサイトで情報を探し、的確な回答が見つからないため有人チャットを利用。それでも解決せず、最終的に電話で解決したとします。

この場合、最後の電話だけを見れば解決しているように見えるかもしれません。しかし、お客さまは問い合わせをする過程で多くの労力を使っています。この時、企業の問い合わせ窓口としては及第点ではなく、むしろ手間をかけさせているため、お客さまにとってはネガティブです。

そのため、今後は様々なチャネルからの問い合わせに対して即時で解決できるサービスが重要視されるようになるでしょう。

━━━チャットでもメールでも電話でも、どのチャネルにおいても応対の品質を担保し、迅速かつ正確で柔軟な回答が求められる。難しそうに感じますが、それは可能なのでしょうか?

これを可能にするには、応対の品質はオペレーターのスキルだけではなく、どのチャネルをどのように設置するかという設計が重要になります。

例えば、サービスが非常に多い企業の場合。Webサイトに訪れても、サービスが多すぎて探すのが大変です。さらに、各サービスの窓口が異なり、それぞれの回答が違うことがあります。

サービスが多い企業に問い合わせているお客さまは、自分が解決したい複合的な疑問を持っているケースが多い。ただ、複合的な疑問に対し、チャットの一問一答形式では解決できないことがあります。

お客さまから「この場合、こうしたらどうなるの?」というような条件によって回答が変わる疑問です。チャットボットを設置しても、お客さまの理解度や条件によって回答が異なるため、デジタルだけでは正確な回答を提供するのが難しいことがあります。

現在、お客さまの疑問解決に向けて、多くのツールやサービスが存在します。ただ、それを1つ導入するだけでは解決しません。

どこにどのような導線を設置すればお客さまがたどり着けるかを設計することが、今後、コールセンターのスタンダードになり、ひいては顧客満足度の向上に繋がるでしょう。

WOWOWコミュニケーションズでは、このような設計支援を強化し、強みとしていくことを目指しています。

━━━1つ目は全体的な設計が今後問われるという点ですね。2つ目はいかがですか?

2点目は、お客さまの声の活用です。

前回、コールセンターの品質には成果品質と応対品質の2つがあるという話がありましたが、これはセンターの基本機能です。それに加えて、お客さまが直接問い合わせをしてくる背景をきちんと把握し、マーケティング情報として活用することが必要です。

1点目は、お客さまの導線の話です。仮に導線が整理できていたとしても、その導線に沿って届いた「お客さまの声」をマーケティングに展開できなければ、顧客満足度の向上は成り立ちません。

お客さまの導線を知り、背景を知り、知りたい内容を理解する。この一連の流れを最適化することが、未来のコールセンターに求められているのではないでしょうか。

※関連資料:インサイトの見つけ方

生成AIとコールセンター

━━━昨今、生成AIとコールセンターの関係が問われています。棟方さんは、この関係についてどう思われていますか?

非常に便利になったと思います。ただ、まだ全てが実用化できるわけではありません。

一番大きな問題は個人情報の取り扱いです。さらに、確実に問い合わせを受け、正確な回答を提供できるかという物理的なハードルもあります。

しかし、条件付きの回答などは自動で解決できるような世界にはなってきています。実際に、そのようなシステムが導入されている企業もあります。その結果、機械で対応できる部分が増える一方で、人が介在する価値が減少しているとも言えます。

このような状況で、デジタル対応はお客さまの解決率を高めるかもしれませんが、満足度も高めることができるかは疑問が残ります。

AIによって、自分が知りたい内容をすぐに回答してくれる点では一定の満足を得れるでしょう。しかし、プラスアルファの情報は出てきません。

そのプラスアルファの情報にこそ、人が介在する価値があると考えます。

ここで重要なのが、パーソナライズされた次の提案を人がすることです。

お客さまが問い合わせた背景を読み取り、適したコミュニケーションを取ることです。単に解決して終わり、ではなく、その背景を知ることで正確なアプローチを判断できます。

具体的には、マーケティングオートメーション(MA)やプロモーションに、お客さまの問い合わせ背景を活かせるのです。

まとめると、AIによって便利にはなる点は増えますが、人が頑張らなければならないことも増えていくと思います。

━━━総じて、根本にあるお客さまの満足や前提の設計において、AIと人の使い分けが今後重要になるということですね。

AIはどんどん活用されていくと思いますし、うまく活用することは必須です。

どう最適化するかが、ポイントとなります。

理想はAIで完結することですが、個人情報の問題もありますし、しばらくは人による対応も残るでしょう。

WOWOWコミュニケーションズ | コンタクトセンターのサービス資料3点セット

この記事を書いた人

矢尻 真麻

2012年にWOWOWコミュニケーションズ入社。 入社後はWOWOWのSNS/WEBサイト/MAなどのディレクション業務を経験。現在はWOWOWでのノウハウを活かし、新規営業獲得に向けて企画推進中。

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