コールセンターの本質的価値は3つ。
目次
【要約】本質的価値は「繋がる」「正確な回答」「気持ちの良い応対(+αの情報)」の3つ
コールセンターでしかできない価値とは?:コールセンターの本質的な役割は、電話を通じて企業と顧客が直接つながる場を提供し、顧客満足度を向上させることである。契約受付や技術サポートなどの多様な目的を果たしながら、定量的指標(応答率、放棄率など)と定性的要素(顧客との関係構築、VOC)を統合して顧客とのコミュニケーションを深める。コールセンターが顧客満足度を高めることで、ブランド価値を高める重要な接点となる。
コールセンターの「ソフト的価値」:商品の機能的価値だけでは顧客満足度は十分に高まらない。コールセンターは、直接の対話を通じて「正確」「迅速」「柔軟」「共感」などの応対を提供し、顧客に安心感と信頼を与える。これが「ソフト的価値」と呼ばれ、顧客体験を向上させる要素である。WOWOWコミュニケーションズでは、この価値を意識し、顧客対応の質を高める施策をプラスαとしてクライアントに提案している。
コールセンターの本質的価値は3つ:コールセンターの本質的価値は「繋がる」「正確な回答」「気持ちの良い応対(+αの情報)」の3つに集約される。これらを実現することで、顧客は次もまたコールセンターに電話しようと感じるようになる。また、コールセンターはブランドの理念やミッションを実現するために、顧客の声を効率的に収集する役割を担い、顧客体験(CX)の向上に寄与する。ブランドの長期的な信頼構築には、全てのチャネルでの一貫した顧客体験が欠かせない。
コールセンターの本質的価値を解説
コールセンターの本質的価値とは何でしょうか?
コールセンターには、単なる問い合わせ対応を超えた、顧客満足度を向上させるための大きな可能性が秘められています。
高品質な応対を目指すには、正確で迅速な回答に加え、顧客の心に寄り添う共感と柔軟性が欠かせません。
この記事では、コールセンター運営の本質的価値に迫り、今後求められるセンター像について解説します。
コールセンターでしかできない価値とは?
━━━「コールセンター」をどのように定義されていますか?ひいては、コールセンターの本質的な役割とは何でしょうか?
当たり前かもしれませんが「お電話というチャネルを通じて企業とお客さまの接点を担い、最終的には、顧客満足度を向上させることを最上位の概念としておくこと」が、コールセンターの定義かつ本質的な役割ではないでしょうか。
コールセンターは、様々な目的があって作られます。例えば、ご契約の受付や、予約問合せ、
技術的な内容をお受けするテクニカルサポートなどです。
様々な目的があるものの、総じて、顧客満足度を向上させることが最上位に来るべきだと考えます。
顧客満足度を高めるためのアプローチとして、定量・定性の両面においての目標と目的の設定が重要となります。
定量的な内容でいうと、わかりやすいマネジメント指標として、応答率、放棄率、応答速度などがありますし、定性的な側面では、お客さまとの関係構築の部分だったり、VOCのような点。
要は、お客さまとのコミュニケーションにおいて得られる価値もあります。
この2つを突き詰めていくと、顧客満足度向上に繋がる。ここに繋げることが、コールセンターの本質的な役割なのではないでしょうか。
━━━顧客満足度を意識せず、ただ「お客さまの受け答えの場所」であると捉えて運用してしまうと、どのようなリスクがありますか?
商品やサービスに、不満を持たれてしまうかもしれません。
例えば…「聞きたいことを聞けたけど、その手前で、実はたくさん電話かけて全然繋がらなかった。」「やっと出たらぶっきらぼうな対応をされた。」「なんとなく聞いたら、なんとなく教えてもらった。」「何かわかったような、わからないようなみたいな感じで終わった。」
このような応対だった時、原澤さんは、どう思いますか?
━━━少なくとも、もうこのコールセンターには電話したくないなと思いますね…。
そうですね。単純に、印象が悪く、商品やサービス、ひいてはブランドに響きます。
やはり、新しい情報やお客さまが思われていることなど、プラスαの情報を余すことなくお伝えできるのは、直接会話をすることの利点。
そこは、コールセンターでしかできない価値であり、役割ではないでしょうか。
コールセンターの「ソフト的価値」
━━━「オペレーターのお客さまへの受け答え = ブランディングの一端」とも言えると思います。コールセンターが企業におけるブランディングの一端を担う際、意識されていること、注意されていることはありますか?
まず、ブランドの要素を分解した時、商品そのものの価値を示す機能的価値があります。
ただ、その商品が優れているからといって、同時に満足度も高いかというと、そういうわけでもありません。
そこには「ソフト的な価値」がどうしても必要になってくると考えています。例えば「どうやって使うの?」とお客さまが不安を持たれた時、懇切丁寧に教えてくれるといった体験などです。
商品だけで完結するのではなく、何かの繋がりや良い体験によって価値が向上することもあると思っています。その上で、コールセンターは直接コミュニケーションが取れる、極めて特殊な機能でソフト的な価値に繋げることができると考えています。
今はチャットやボイスボットなど、お客さま自身で物事を解決できる導線が整備されてきています。
とはいえ、まだまだコールセンターにお電話がきます。
その時に「正確」「迅速」「柔軟」「共感」「安心」「好印象」といった、サービスサイエンスを軸とした応対ができている企業は、信頼できる会社の位置づけになり得るのではないでしょうか。
この信頼が、ソフト的な価値です。
このソフト的な価値を見出せるかどうかを、WOWOWコミュニケーションズのコールセンターでは意識しています。
━━━「ソフト的価値」は、WOWOWコミュニケーションズのお取引先であるブランドから求められますか?それとも、ご提案していますか?
「ソフト的価値」は、プラスαの要素としてご案内しています。そのため、WOWOWコミュニケーションズからのご提案の一つです。
前提として、コールセンター運営においてはまず予算があり、達成させるべきKPIが存在します。
その上で、WOWOWコミュニケーションズでは、「ソフト的価値」に繋がる応対品質向上施策を、プラスαとしてご提案しています。
コールセンターに求められるのは、まず、予算の中でKPIを達成できるかどうか。分かりやすい費用対効果を判断軸としています。
いくら丁寧に応対をしたとしても、そもそもの応答率等KPIが著しく低い等の場合、コールセンターとして成り立ちません。
KPIを達成した上で、質の高い応対ができるかどうか…このような流れでご案内しています。
━━━実際にコールセンターを構築する際、どのようなことを意識して設計されていますか?
まずは、企業が目指している姿の把握です。
企業には理念、ミッション、クレドといった、目指すブランドイメージがあります。そこにリンクさせることを意識しています。
「御社と同じ目線を持っていますよ」といったことは、どのコールセンターも言うかと思います。その際、WOWOWコミュニケーションズの場合は「弊社はこう思っています」というよりも「御社が理念やミッション、ひいては、商品やサービスをどう捉えているのか」に対する理解とアプローチを徹底しています。
「どう捉えているか」に合わせて「コールセンターの機能を定義する」というのが、本来あるべき姿と考えて設計しています。
次に「お客さまの声」の収集における仕組み作りです。
これはどのブランドでもそうですが、「理念やミッション」の達成のために「お客さまの声」を重要視しています。
コールセンターという機能は「お客さまの声」を効率的かつ効果的に収集し、ブランドの「理念やミッション」の達成に繋がる一機能を担えます。
チャットやボットも、たしかに「お客さまの声」を収集できますが、目的意識の高い会話のみで、雑談やプラスαの要素を聞き取ることは容易ではありません。
※関連記事:インサイトとは?マーケティング戦略に役立つ事例と見つけ方のステップ
━━━確かに、会話に余白がない。
会話の余白が作れることは、おそらく、コールセンターの一つの価値。その余白のコミュニケーションを埋めることが、信頼感に変わっていく。
これを実現するようなコールセンターを作ることを、意識しています。
━━━つまり、ブランド「理念やミッション」が上位にあり、ブランドがほしい「お客さまの声」があり、コールセンターはあくまで「理念やミッション」と「お客さまの声」を媒介する手段ということでしょうか?
そうです。コールセンターは、主役ではない。プロセスの一つです。
━━━コールセンターとお客さまが対の関係になっていると思っていましたが、対になってるのは「理念やミッション」と「お客さまの声」なんですね。
※関連記事:【コールセンターの品質管理】“真”の顧客満足に必要な2つの考え方。
コールセンターの本質的価値は3つ。
━━━コールセンターを中長期的な視点で運営する場合、どのような点に気をつけるべきでしょうか?
今の主流は、お客さまがどのチャネルからきても、知りたい情報を入手できることです。つまり、コールセンターではなく、あらゆるチャネルを複合したコンタクトセンターであることが大事。
お客さまが行ったチャネル先で情報が得られないと、別のチャネルへ問い合わせが必要なので、労力がかかります。
得たい情報が得られず、たらい回しにされ、電話したが繋がらない…こうした課題をなくし、お客様をお迎えするコミュニケーション導線をつくることが、今のコンタクトセンターの在り方です。
これらの全体をひっくるめてCXと呼ばれてます。「CX =コールセンター品質」ではありません。
CXはあくまでお客さまの体験価値の向上なので、どのチャネルに行っても、お客さまが気持ちのいいコミュニケーションがとれる…それがCX。
このような視点で考えた時に、コールセンターを中長期的な視点で運営する場合に気を付けるべきことは、そもそも「お客さまは電話したくない」ということを念頭におくことです。
そのため、コールセンターの機能をリッチにしていくには限界があります。
コールセンターは、直接接点を持てる、直接会話できる、会話の余白を楽しめるといった、コミュニケーションができる一つの場所です。
そのため、あらゆることをコールセンターに情報を集約させ、お客さまの問い合わせを集中させる考え方に固執してしまうことは、気をつけなければいけません。
━━━最後に、ここまでお話されて、コールセンターの本質的役割とは何でしょうか?
繋がる。回答に正確性がある。気持ちいい応対(+αの情報)。この3つがあると、次もまたまたかけようと思えるコールセンターなのではないでしょうか。