ポジショニング戦略の作り方④:利益構造分解
ポジショニング戦略を作るべく、ここまで下記を実施してきました。
- ポジショニング戦略とは?
- どの要素でポジショニングを図るか?
- 洗い出した各要素はどれだけ消費者にとって重要か?
- 戦略キャンバスの構築
結論、ここまでの過程は仮説段階でしかありません。これを事業の大目的である”利益創出”に向けた最終調整を行います。
ただし、本稿の目的はあくまで「ポジショニング戦略」を構築することです。利益創出には財務、営業戦略などマーケティング以外の要素が大きく関与します。
これらを踏まえ、まずはポジション戦略が有用であることを示すべく、バリューチェーンを軸に利益創出に向けた確認を行います。
※WOWOWコミュニケーションズのマーケティング事例はこちら。
※ポジショニング戦略の作り方シリーズ
- ポジショニング戦略とは?作り方と気を付けるべき7つのポイント
- ポジショニング戦略の作り方①:14個の質問
- ポジショニング戦略の作り方②:その要素、本当に重要?
- ポジショニング戦略の作り方③:戦略キャンバスとは?作り方を解説
- ポジショニング戦略の作り方④:利益構造分解
バリューチェーンとは?
バリューチェーンとは「企業が製品を設計、生産、販売、配送、サポートするために遂行する活動の集合」です。
そもそも利益創出を目指した際、価格およびコスト面でできる選択肢は下記の3つです。
- 高価格
- 低コスト
- 高価格および低コスト
バリューチェーンを定義したマイケルポーター氏は「価格とコストの違いは無数の違いから生じる」と述べます。
つまり、各活動の分析ができれば、利益創出に向けた戦略が作れます。
では、どのように活動を分析するか。
ここで使えるのが、バリューチェーン、となります。
バリューチェーンの細分化
バリューチェーンの作り方は非常に簡単です。
- まず業界のバリューチェーンを洗い出す
- 次に自社と業界のバリューチェーンを比較する
- 価格ドライバー、つまり差別化の鍵を現在または将来握る活動に着目する
- コストドライバー、つまりコストに占める割合が高いか、高まっている活動に注目する
業界、ひいては競合の対象はこちらの記事で整理できています。これらの対象のバリューチェーンを下記のように比較しましょう。
※上記はアメリカの車椅子製造業を題材にした例
また、ポイントは下記です。
- 業界固有の主要な価値創造活動を洗い出すこと
- 自社のバリューチェーンが他社と区別がつかない場合、最高を目指す競争に終始していることになる
- 価値は顧客経験の提供から生まれることもあれば、アフターサービスから生まれることもある
- コストドライバーは、活動における一連の要因によってきまる
これらが揃ったら、自社のコストを算出しましょう。
バリューチェーンの要素毎にコストを算出
研究開発からアフターサービスまで。どこでいくらほどコストが掛かっているのかを算出します。
その上で、前回作った戦略キャンバスの伸び代部分を、どのプロセスに当てるべきか。逆に、当てないかを検討しましょう。
コストを抑えられる要素、ないし、コストをかける要素を特定す
当てるべきポイントが決まったら、ここからはアイデアとトライ&エラーのフェーズです。
戦略キャンバスで決めた要素を軸に、どのように高価格、低コスト、ないしその両方を実現できるかを検討します。
例えば、競争の激しいプロテイン業界において、後発ながら業績を伸ばしている企業の特徴は下記です。
研究開発から製造オペレーションに特化し、マーケティング以降はコストを抑えて業績を伸ばしている好事例です。
まとめ
5回に渡り、ポジショニング戦略構築に向けて下記を実施してきました。
- ポジショニング戦略とは?
- どの要素でポジショニングを図るか?
- 洗い出した各要素はどれだけ消費者にとって重要か?
- 戦略キャンバスの構築
- 利益構造分解
とるべきポジションが見えたら、いよいよ実行フェーズです。自身の要素が顧客に伝わるような施策を打出していきましょう。
WOWOWコミュニケーションズでは「顧客接点」にこだわった様々な施策を展開しています。詳しくはこちらをご覧くださいませ。
※フレームワークなどの参照元
- www.amazon.co.jp/dp/B01EH12AJ6
- www.amazon.co.jp/dp/B01GBZX130
- www.amazon.co.jp/dp/4408650056
- https://note.com/yosun/n/n1f3e42827eb1
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