インサイトをBIツールにまとめて報告する方法。
目次
要約「データを見る文化が形骸化しないよう、PDCAサイクルを回せる内容にすることが重要」
BIツールの利点:BIツールを使用すると、定期的にアンケートが取得され、コールセンターからの声も更新されるため、データマーケティングの関係者がフィードバックに触れる機会が増える。
BIツール活用のデメリットとリスク:BIツールの使用においては、定めた指標の確認だけでなく、深掘り分析の視点が重要であり、データを見る文化が形骸化しないよう、PDCAサイクルを回せる内容にすることが重要。
データの活用事例:収集したデータは、ポジティブ、ニュートラル、ネガティブに分類され、異なるチャネルからの声の質の違いを考慮して分析される。ダッシュボードでは、意見の傾向や頻出ワードなどが可視化され、インサイトを取得可能。
導入検討ポイント: BIツールの導入は、データの組み合わせや前処理が必要な場合、レポート作成の効率化、ダッシュボードの日常利用を目指す場合に推奨される。
※本編は“WOWCOMポッドキャスト”をテキスト化した内容です。またサムネイル画像およびYouTube内の画像にはDALL·E 3を使用しています。
BIツール活用のメリットとデメリットは?
データマーケティングにおけるBIツールの活用に関して、多くの企業が悩んでいます。
ある企業は、BIツールを用いて顧客の声を収集し、ダッシュボード化することで、具体的なインサイトを得ることに成功しています。
この事例ではアンケートデータとコールセンターのフィードバックを組み合わせ、ポジティブな意見とネガティブな意見を分析し、ダッシュボードで可視化しています。
はたして、どのようなデータ管理をしているのか?また、それによって得られるビジネス上のメリットは何か?一方でデメリットは何か?
データマーケティングにおけるBIツールの活用方法について、WOWCOMのプランナーに聞きました。
インサイトをBIツールにまとめたアウトプットとは?
━━━前回「“お客さまの声”を集めた後、インサイトを報告する。」方法について、主にパワーポイントを活用した報告形式について伺いました。今回は、BI(ビジネスインテリジェンスツール)ツールのアウトプット形式について、具体的にどのようなことをされているか教えてください。
ある企業の事例についてですが、有料のBIツールを用いてお客様からの声を複数のアンケートや、コールセンターからのフィードバック、ホットボイスと呼ばれる情報など、さまざまな形で収集し、これらをBIツールでダッシュボード化するというご要望がありました。
━━━具体的にはどのようなデータを入れ、どのように活用されていますか?
デジタルが活性化する前の日本企業文化では、お客様からのお問い合わせは主に電話で行われていたと思います。
お客様が契約してから解約するまでの間に、何度か電話でのアプローチを受け、その中で製品の不具合やご要望などの声が寄せられることがあります。
これらの声は、オペレーターが受けた言葉をログとしてテキストデータに変換し、アンケートデータとともに整理しています。
これらのデータをお客様からの声を、褒め言葉や好印象、ニュートラル、苦情や意見といったネガティブなものの3つに大別しています。
理由は、アンケートとコールセンターという異なるチャネルからの声は、その性質が全く異なるためです。
━━━“お客さまの声”には様々な階層が存在します。「好き」の表現にも「好き」「めちゃめちゃ好き」「やばい好き」といったバリエーションがありますが、ポジティブとネガティブな声の階層や尺度を見極めるにはどうしていますか?
ポジティブな声、例えば「好き」という感情については、大きく区別しているわけではありません。一般的に、ポジティブな意見は同様の理由で集約される傾向にあります。
しかし、ネガティブな声はより多様性があり、分散しやすいです。根幹を揺るがすようなネガティブな声(例えば、製品の不備やクレームなど)と、製品やサービスから少し離れたもの(「買いに行った店に自転車が置けない」など)があります。
重要なのは、これらの声が事業の根幹に関わるものなのか、そうでないのかを見極め、分類することです。
引用元:“お客さまの声”を集める時の注意点は2つ。
お客様のモチベーションは、アンケートとコールセンターに集まる生の声とでは大きく異なります。
多様なデジタル接点が存在する中で、コールセンターに電話をかけて意見を述べる場合は、緊急性が高いか、ネガティブな内容が多くなる傾向があります。
オペレーターが入力したテキストデータを、お客様がアンケートに入力したデータと同様にデータソースとして取り込んでいます。その上で、意見がポジティブかネガティブか、どのようなワードがポジティブで頻出していたかといった点をダッシュボードで可視化しています。
最初はWOWCOMのコンサルタントがこのダッシュボードを活用し、様々な分析を行っていますが、最終的にはBIツールを利用できる企業の担当者が自分に関連するトピックをダッシュボードで自ら見て深掘りすることが目標ですので、クライアント企業内でも使えるように設計しています。
ダッシュボード構築事例
【株式会社タカギ】CDP構築から顧客満足度要因の特定。そして、次のフェーズへ。
インサイトのアウトプットにBIツールを活用するリスクは?
━━━そもそもBIツールを使ったアウトプットと、BIツールを使わずでのアウトプットの差は何でしょうか?
BIツールを使用しない場合、先に述べたようにPowerPointの報告書形式で情報が共有されます。
アンケート実施直後は報告書が回覧されますが、その後は定期的にフィードバックを確認することが少なくなり、忘れられがちです。
一方、BIツールのダッシュボードを使用すると、定期的にアンケートが取得され、コールセンターからの声も更新されるため、担当者はもちろん、他の関係者もフィードバックに触れる機会が増えます。
これがBIツールの利用と非利用の最大の違いです。
━━━例えば無料のLooker Studio、有料だと様々なBIツールがあります。BIツールを入れるか入れないか悩んでる事業会社の方は、何を導入の線引きにするといいですか?
データを組み合わせて利用したい場合や、データの前処理が必要な場合は、無料のツールでは対応できない領域になります。
そのためデータの持ち方や利用の仕方としてBIツールが必要な企業や、レポート作成の時間を短縮して効率を上げたい場合、またはダッシュボードを日常的に利用する文化を根付かせたい場合には、BIツールの利用をお勧めします。
━━━ 一方で、BIツールを使うことによるデメリットや想定しておくリスクはありますか?
ダッシュボード化すると、定めた指標は必ず確認できるようになりますが、さらに深掘りして分析する視点を持つことが重要です。
そのため、この視点を持つことをお勧めします。ただ見るだけで形骸化したり、徐々に確認されなくなることもあるため、PDCAサイクルを回せるような内容にすることが大切です。
よく「データを見る文化が形骸化せずに、メンバーが常にデータを見に行っている組織や企業の特徴や共通点は何か?」と質問を頂きます。
その際の答えとしては「熱い思いや当事者意識を持っている方が多い企業やチーム」と回答しています。
会社全体を改善しようとしたり、自分が関わるサービスをより良くしようとしたり、なぜうまくいかないのかという視点を持つ方が多い企業やチームは、データを見る文化が根付き、データマーケティングが促進されている印象があります。
携わる社員・担当者といった「良くしていこうという熱」も、データマーケティングでは非常に大切ですね。
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