DATA MARKETING
データマーケティング

“お客さまの声”の集め方。最後は数万件を「人の目で見る。」

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“お客さまの声”の集め方。最後は数万件を「人の目で見る。」

要約「アンケートを“人の目で読む”のが一番の肝になってきます。」

インサイト抽出における機械と人の違い:機械では日本語の文脈を正しく理解できないことが多いため、「人の目」によるインサイト抽出は必須。

機械と人の目の併用:数万件のデータでも、最終的には人の目で分析。人の目でデータにフラグを付けしつつ、機械を交えて効率化を図る。

フィードバック収集の具体的方法:アンケート収集、アンケートの配布(メールとX(旧Twitter)の使い分け)、アンケートの分析、アウトプット。これらを適したツール毎に実施。

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インサイトは、人の目で見つける。

お客さまからのフィードバックの重要性を理解しているとしても、それをどのように収集し、アウトプットまで繋げるのでしょうか。

これまで様々な企業のインサイトを導き出してきたWOWOWコミュニケーションズのプランナーたちは、機械だけでなく「人の目」によるインサイト抽出の重要性を強調しています。

なぜなら、現代で機械だけでは日本語の文脈を正しく理解できない場合が多いからです。

実際の事例を通じて、フィードバックの具体的な収集方法からアウトプットの手法までを紹介します。さらに、「なぜお客さまのフィードバックには機械だけでなく“人の目”も必要なのか」について、具体的なケーススタディを元にその理由と実態を深く掘り下げます。

スピーカー

横関 彩

2009年にWOWOWコミュニケーションズに新卒入社。 WOWOWカスタマーセンターの業務コーディネートやWOWOWの営業/プロモーション/広告・宣伝などを経て、アナログとデジタルのコミュニケーション設計やCDPの構築・導入・データ分析等を担当。現在はWOWOWで得たノウハウの外販展開を推進中。ポッドキャスト

インタビュアー

原澤 陽

合同会社HARAFUJI Co-Founder COO | 大学在学中の19歳より株式会社ギャプライズにてBtoCデジタルマーケティング、BtoBマーケティング、法人営業に従事。その後、チーターデジタル株式会社にて法人営業を経て、 現在は合同会社HARAFUJIの共同創業者として独立。BtoBマーケティングを中心とした戦略および戦術支援事業に従事している。登壇実績

お客さまの声の収集方法

━━━お客さまからのフィードバックを効率的に収集するための方法やツールについて教えてください。

収集方法は、前回話したように主にアンケートを活用することが多いです。

その際、アンケート収集から最後の分析を行うまで様々なツールを組み合わせてアウトプットまでやっています。

まずアンケート収集する段階。ウェブのアンケートを実施する場合、アンケートを作成して集める、いわゆるアンケートツールを使います。

そのアンケートをデジタル上で拡散してもらうために、X(旧Twitter)を活用。

サブスクリプションサービスのように、個人のメールアドレスを取得できている場合はメール配信ツールによってアンケートを送付します。

そして、実際にアンケートが集まり、構文解析が必要な場合はテキストマイニング系のツールを使います。

あとは、人の目で読む。

当社では、この「人の目で読む」のが一番の肝になってきます。

またアウトプットを目的に、大量の数値を分析する際にはTableauなどのBI(ビジネスインテリジェンスツール)を使ったりもします。

最後に、ダッシュボード化する際は企業に合わせたツールでダッシュボードを作成。

このように、収集、拡散、分析、管理と、多岐にわたるツールを企業の要望や環境に合わせて使い分けています。

顧客フィードバックの収集方法まとめ(一例)

  • アンケート収集:アンケートツール
  • アンケート配布:メール配信システム、X(旧Twitter)、はがき、店頭
  • アンケートの分析:テキストマイニング、形態素解析、感情分析、人の目によるフラグ付けおよび分析
  • アウトプット:パワーポイントによる報告書、ダッシュボードツール ex.Tableau、Looker studio etc

アンケートの拡散にX(旧Twitter)を活用する。

━━━アンケートの拡散においてX(旧Twitter)を活用されています。どのように活用されていますか?

自社のファンを特定できない製品やサービスの場合、ファンがファンにリツイートによって拡散してもらう仕掛けを行なっています。

例えば、サブスクリプションビジネスみたいに顧客が特定できている場合は、メールアドレスが分かっているので、直接アンケートを送付します。

一方、消費財やキャラクタービジネスなど、顧客が特定できないビジネスの場合、ファンの方たちや製品を好きな方たちにメールを送ることは難しい。

そういう時は、X(旧Twitter)にて「アンケートを募集してます」という形でX(旧Twitter)に載せ、ファンがファンにリツイートによってアンケートを拡散してもらうこともあります。

また、直接メールを送れない製品やサービスの場合において、X(旧Twitter)を使っていない顧客層もいます。そういう場合、店頭やハガキなどのアナログの手法をとります。

当初から現在に至るまで、当社のKPIでの大事な要素はSNS運用にありますが、我々が会社に提言し、運用のプロトタイプを決めた後、番組におけるSNSの活性化は目を見張るほどです。

プロデューサーはもちろん実際に現場でSNS運用を担うADや放送作家のみなさんも対象にした定期的な講習会をして実運用のフォローをしているうちに経営からも「費用を出すから現場のモチベーションアップ施策をしなさい」という有難いアドバイスをもらい、表彰イベントをはじめるなど、次々に年間の業務が増えています。

その実施にあたってもWOWOWコミュニケーションズのマーケターの方がSNS運用方面でも知見があったことがとても助かっています。

引用元:【株式会社エフエム東京】データマーケティング導入から4年…その成果とは?

機械よりも「人の目」で見た方がいい理由とは?

━━━さきほど「人の目で読む」とありました。アンケートの分析において「人の目で読む」と機械を使う分析によって、アウトプットにどのような違いがありますか?

日本語の解読において、機械は正しく判断できない場合があります。

例えば「やばい」という言葉は、テキストマイニングだと、おそらく1つのワードとしか見られません。

しかし、全体の文章を読んだ時に、何に対して「やばい」と言ってるのかによって、「やばい」がネガティブなのか、ポジティブなのか変わってきます。

この判別が、機械だとまだ難しいと考えています。

文章全体を読み、何に対して「やばい」と言ってるのか。意味の捉え方であったり、意訳したり、何が「やばい」というキーワードを引き出しているかなど、やはりツールだと分からない部分が日本語だと多分にあります。

そのあたりの文脈を捉え、意味を読み解く。

また、特定の人が言っているのか、全体で言っているのかなども含め、重要なキーワードが何かを見つけるには「人の目」が一番だと考えています。とは言え、機械が得意な点もあるので、人の目と機械、両方使って分析を行なっています。

読み解く量が数万件となるケースもありますので。

━━━数万件のデータを「人の目」で行うこともあるんですか?

はい、最後は数万件あったとしても人の目で見ます。

最終的にはデータにフラグを付けていくので、データからどんなキーワードが多いかというのは、人の目で何となく当たりを付けます。

ただそのキーワードの頻出回数が多いだけではなく、文章読んでいくと「どうも、このことについて言ってる人が多いな」や「何となく、このキーワードは企業の宣伝文句になりそう」「この企業の強みを示しているな」と見えてきます。

機械にはできない、文脈の理解、意訳、そして、これらの気づきを企業の特徴や強みと紐付け、マーケティングに展開していくのが当社の特徴かもしれません。

>>「“お客さまの声”を集める時の注意点は2つ。」に続く


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この記事を書いた人

矢尻 真麻

2012年にWOWOWコミュニケーションズ入社。 入社後はWOWOWのSNS/WEBサイト/MAなどのディレクション業務を経験。現在はWOWOWでのノウハウを活かし、新規営業獲得に向けて企画推進中。

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