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ポジショニング戦略の作り方③:戦略キャンバスとは?作り方を解説

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ここまで、下記を行なってきました。

  • ポジショニング戦略とは?
  • どの要素でポジショニングを図るか?
  • 洗い出した各要素はどれだけ消費者にとって重要か?

本稿では整理してきた”重要な要素”を元に、戦略キャンバスを使ったポジショニング設計に入っていきます。

※WOWOWコミュニケーションズのマーケティング事例はこちら

※ポジショニング戦略の作り方シリーズ

そもそも、戦略キャンバスとは?

戦略キャンバスとは「ブルー・オーシャン戦略における分析ツール」です。

2005年に出版された「ブルー・オーシャン戦略」の中で取り上げられたツールであり、単純な4象限のポジショニングよりも広く深く市場を分析できる便利なツール。

ここでは、具体的な作り方を解説していきます。

要素の整理

今回も前回に引き続き「コンタクトセンター」を元に、話を続けます。コンタクトセンター事業において、比較すべき重要な要素は下記です。

  • コンタクトセンターの質
  • お問合せを捌く量
  • 研修制度
  • 価格
  • 対応力
  • 対応している業界

…etc
※実際はさらに数十個とあります。

要素の洗い出し方は、下記の記事をご覧ください。

この要素を、次の表に並べていきます。

要素を表に並べる

手順は簡単です。下記のような表をパワーポイントやエクセルで作り、1列目に先ほどの要素を入れましょう。

順番は特に気にしなくて大丈夫です。また2列目と3列目の意味は下記です。

  • 2列目:これから行うマッピングにおいて、左におくほど対象の要素が市場・競合に対して劣っている。逆も然り。
  • 3列目:対象要素は「何によって変化するのか?」、変動要因を記載します。

2列目は真に測定することは困難です。できるだけ定量データを集めつつ、計測困難な部分は、正直、感覚的な配置になります。

3列目は記載後「この要因はコントロール可能か?」を考えます。例えば、コンタクトセンターで言えば競合他社の席数をコントロールすることはできません。

コントロールできない部分に思考を当てても意味がないので、変動可能要因に目を向けましょう。

比較対象を抽出する

ここで重要なのが「課題を解決できる対象」を抽出することです。どうしても同業界の競合が気になりますが、顧客にとって課題解決できる手段は様々です。

コンタクトセンターでは、下記が比較対象になります。

  • 同業界競合他社
  • テクノロジー企業 ※主にチャットボットや音声AI
  • 新規参入者

…etc

※実際には各競合企業ごとにマッピングします。

このステップでは必ず「新規参入者」を入れましょう。ポジショニング戦略構築上、最も悩まされるのが新規参入者です。理由は単純に、情報がないからです。

故に「もし、自分は新規参入者ならどの要素で攻めるだろう?」と考えておきます。そうすることで、もし新規参入者が現れても被害を最小限にできます。

比較対象をマッピングする

ここからは、パズルような感覚です。作成した表に、先ほど抽出した候補を色別に配置していきましょう。

ここでのポイントは「できるだけ差をつけて配置」することです。戦略キャンバスを作る目的は「どの要素で勝っているか、また勝てる伸び代があるか」を抽出することです。

自社を“現実的”な位置にマッピングする

最後に、自社をマッピングさせます。

ここで重要なのは“現実的”な位置におくこと。背伸びも謙虚も不要です。事実、どこに位置しているのか、冷静に見極めましょう。

自社のどこを伸ばせば勝てるのか、伸び代を見極める

最後に、どこで戦うべきかを考えます。下記の条件が揃った要素がいいでしょう。

  • 変動要因がコントロールできる
  • あと少しで他社を引き離せる
  • 投資すれば勝てるイメージがある

一方で、勝つことを諦める要素も決めましょう。顧客のニーズは千差万別です。自社の得意な部分を特定し、そこにオールインしましょう。

その上で、利益を確保できているかを確認します。

最後に

これで、とるべきポジションは確定です。作った表はチーム・社内に連携し「どの要素で勝ちに行くか」を共通認識として持てるよう、PDF等でシェアしましょう。

最後に、次のステップで「とるべきポジションで、黒字化できるのか?」を整えていきます。

ポジショニング戦略の作り方④:利益構造分解

※フレームワークなどの参照元

この記事を書いた人

原澤 陽

合同会社HARAFUJI Co-Founder COO | 大学在学中の19歳より株式会社ギャプライズにてBtoCデジタルマーケティング、BtoBマーケティング、法人営業に従事。その後、チーターデジタル株式会社にて法人営業を経て、 現在は合同会社HARAFUJIの共同創業者として独立。BtoBマーケティングを中心とした戦略および戦術支援事業に従事している。登壇実績

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