DATA MARKETING
データマーケティング

“お客さまの声”取得の習慣や仕組み化に重要なこと。

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“お客さまの声”取得の習慣や仕組み化に重要なこと。

要約:目的を正しく定め、マーケティング部門以外のチームも含めて、地道にデータを連携し続けることが重要。

企業風土の根付かせ方担当者の熱量と、定量データと定性データのバランスを見つつ、それらのデータを、マーケティング部門以外の部門やチームに地道に伝え続けなければ“お客さまの声”を使ったデータドリブンな企業風土は根付かない。

データドリブンな企業風土の重要性:サービス・製品の改善を習慣化するためには、マーケティング部門だけでなく、他部門へのデータドリブンな連携が重要。最後は、サービスや製品に直接関わる部署で変化が起きなければ、成果には繋がらないため。

データドリブンな企業風土が根付かないケース:プロジェクトのゴールが「ダッシュボードを作る」「CDPを入れる」で終わってしまう場合は、データドリブンな企業風土が根付きにくく、成果に繋がらない。目的の設定を「新規を増やしたい」「既存顧客を継続させたい」など、上流から考えなければデータドリブンにはならない。

データドリブンな企業風土が、根付かない…

多くの企業が直面する課題、それは“お客さまの声”を効果的に取得し、サービスや製品の改善につなげること。

しかし、実態としては、刹那的に熱量をもって“お客さまの声”の収集とサービス・製品の改善に活かすものの、企業風土として根付かず、成果まで結びつかずにプロジェクトが終わるケースが多いです。

今回は、様々なデータマーケティングのプロジェクトに参画してきたWOWOWコミュニケーションズのコンサルタントに「“お客さまの声”を活かす習慣化」について聞きました。

ポイントとなるのは「担当者の熱量」「データのバランス」「他部署への地道な連携」「目的設定」。なぜ、これらがポイントなのかをご紹介します。

スピーカー

横関 彩

2009年にWOWOWコミュニケーションズに新卒入社。 WOWOWカスタマーセンターの業務コーディネートやWOWOWの営業/プロモーション/広告・宣伝などを経て、アナログとデジタルのコミュニケーション設計やCDPの構築・導入・データ分析等を担当。現在はWOWOWで得たノウハウの外販展開を推進中。ポッドキャスト

インタビュアー

原澤 陽

合同会社HARAFUJI Co-Founder COO | 大学在学中の19歳より株式会社ギャプライズにてBtoCデジタルマーケティング、BtoBマーケティング、法人営業に従事。その後、チーターデジタル株式会社にて法人営業を経て、 現在は合同会社HARAFUJIの共同創業者として独立。BtoBマーケティングを中心とした戦略および戦術支援事業に従事している。登壇実績

担当者の熱量があり、定量と定性のバランスを見つつ、それを伝え続けることで、データドリブンな企業風土ができる

━━━前回は「インサイト活用事例 | メディアとメーカーが持っていた課題とは?」ついて伺いました。

━━━今回は効果的な“お客さまの声”取得の習慣や、仕組みを構築するために重要なことについて教えてください。

サービス・製品の改善を習慣化していくためには、マーケティングの部分から別の部門に対してもデータドリブンな企業風土を作っていくことが重要です。

これが「“お客さまの声”取得の習慣や、仕組みを構築」において一番難しく、苦労するところです。

定量データや、定性データであるアンケートの結果を見るのはマーケティングの部門の方がメインとなりますが、実際に製品やサービスを作っている方は別です。

そのため、マーケティング部門から他部門への連携する瞬間が、習慣や仕組みを構築する上で課題となることが多いです。

※参考記事:“お客さまの声”を組織に共有する時、注意すべきこと。

“お客さまの声”を組織に共有する時、注意すべきこと。

━━━データドリブンな企業風土はどのように作りますか?

ロイヤル顧客を定義する中で苦労したこと。」でもお話しましたが、私たちWOWOWコミュニケーションズのメンバーではなく、まず、企業のマーケティング担当者の熱量があるという事がとても大切です。

WOWOWコミュニケーションズのメンバーに熱量があるということは前提として、社外の人間が動かすよりも、社内の人間が自分の会社を良くしていこう思っているっていうことが重要ではないでしょうか。

多くの場合、会社の中に溜まっている定量データの分析から着手するケースが多いです。

そこでデータ分析・ダッシュボード化して見えた数字をもって「何パーセント増えたから次はこうしてほしい」「何パーセント減ってしまったからもっとこうしてください」という数字だけの話を他部門にしてしまうと、反感を抱かれてしまうケースが多々あります。

企業風土にもよりますが、一生懸命製品やサービスを開発している人から「本当に、自社の製品・サービスを分かっているのか?」という気持ちにさせてしまうこともあります。

もちろん、地道に数字を伝え続けるということも大切です。

ただ、その数字が「なぜ動いたのか?」という部分は担当者の声というよりも、製品・サービスを利用してる実際のお客さまの声をデータと一緒に分析し、それをデータの根拠としてマーケターが伝え続けていく。

※参考記事:なぜ、“お客さまの声”は重要なのか?

なぜ、“お客さまの声”は重要なのか?

これを地道に続けることで、サービス改善部門の方々が、実際の製品・サービス改善に関する定量データに興味を持ち始め、徐々に、会議の中で当たり前のように定量データも含めたデータを中心とした議論が行えるようになります。

━━━企業風土の作り方は前提として担当者の方の熱量があり、定量と定性のバランスを見つつ、それを伝え続けることが大事なんですね。やはり教科書のような、ツールを入れ、データが整い、LTVが見え、それによって行動に移る…といった綺麗な形で進むことは稀有なんですね。

━━━ 一方で、企業風土が根付かなかったケースや、特定の条件をクリアしなかったために、データドリブンな企業風土が根付かなかったケースなどありますか?

プロジェクトのゴールが「ダッシュボードを作る」「CDPを入れる」で終わってしまう場合は、データドリブンな企業風土が根付きにくいです。

そもそもの目的の設定が間違っています。

「新規を増やしたい」「既存顧客を継続させたい」といった、事業拡大としての目的がある上での手段のはずが、手段がゴールになってしまう。

こうなってしまうと先に進めず、データドリブンな企業風土が根付かない…というケースはあります。

例えば、株式会社タカギの事例では「ダッシュボードを作る」ことを目的とせず、そもそも、先方の中で「なぜ、データマーケティングをやるべきなのか」を事前に整理されていました。

そのため、結果的に導入したCDPも「CDPを導入するのが目的」ではなく「課題解決するためにCDPを導入」し、データドリブンな企業風土が根付いてきています。

━━━2019年よりデータマーケティングを始められましたが、データ分析を検討され始めた背景、また当時はどのような状況でしたか?

門脇氏

当時、年間で約10万ずつ契約が増えていました。

しかし「はたして、本当に今のやり方であと何年事業として維持できるのか?」「今から考えないと、数年先は厳しい状況になるのでは?」と、組織として、新規のお客様と既存のお客様、それぞれにおいて考え方を変えていこうとしているタイミングでした。

しかし、そもそもどのように考えていいのかわからない。

山元氏

当時、生涯顧客価値KPI化を見据えて、販促費だけでなく、顧客維持コストも見直す必要があるのでは・・・と考え始めたものの、LTV(=生涯顧客価値)の計算式を定める際、経営管理や色々な部署と相談をしたのですが、答えは出ない。

どのように計算、ひいては考えていけばいいのか…このような時、WOWOWコミュニケーションズさんに相談しました。

(中略)

具体的には2019年に出会ってから、下記のステップで進めて頂きました。

  1. LTVの定義
  2. CDP構築
  3. 顧客満足度調査の実施
  4. 顧客満足度因子/不満足度因子の特定
  5. データドリブンからの施策立案
  6. ITデータとCRMの統合化
  7. マーケティングオートメーション

当初は、WOWOWコミュニケーションズさんの得意分野であるLTVの定義、CDP構築のみ、ご支援いただく予定でした。

しかし、WOWOWコミュニケーションズさんと協議する中で、CRM管理システムのデータだけでは、マーケティングを効果的に行うには、不十分だと判明。

顧客満足度因子/不満足度因子の特定まで、ご支援いただき、その結果、お客様が永くタカギ商品をご利用し続けている理由は、下記の因子による因果関係だと判明しました。

引用元:【株式会社タカギ】CDP構築から顧客満足度要因の特定。そして、次のフェーズへ。
【株式会社タカギ】CDP構築から顧客満足度要因の特定。そして、次のフェーズへ。

━━━データドリブンな企業風土を根付かせるための、効果的な施策はありますか?例えば、定例ミーティングを設定するとか、データ更新されたらアラートが飛んでくる、定期的にお電話やメールをする…などの細かいHow toがあれば教えてください。

マーケティング部門の方との定例ミーティングは必ず行なっています。週1で必ずやるものや、月1で少し上位のレイヤーの方まで集まって報告する会など、様々です。

やはり、全社事にする為に、製品部門とマーケティング部門をまたいで統括している、レイヤーの高い方や役員の方々も含めて、全社事・会社事として捉えてもらう機会を作る必要があります。

下から上がっていくボトムアップも大切ですが、実態として、要所要所でトップダウンの動きも時に大切になってきます。


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この記事を書いた人

矢尻 真麻

2012年にWOWOWコミュニケーションズ入社。 入社後はWOWOWのSNS/WEBサイト/MAなどのディレクション業務を経験。現在はWOWOWでのノウハウを活かし、新規営業獲得に向けて企画推進中。

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