コロナ前後で“ロイヤル顧客の特徴”に変化はあったのか?
要約
コロナ禍の顧客行動変化: コロナ禍でステイホームになったことにより顧客の行動が大きく変わり、企業が顧客の変化を把握するのが難しくなった。
デジタル化の進展: コロナ禍で以前はアナログチャネルを利用していた顧客もデジタルチャネルを使うようになり、デジタルユーザーの数と利用頻度が増加。
顧客の感じ方の変化: コロナ禍で顧客は企業やサービスに対して「癒し」や「ほっとする」などの感情を抱くようになった。
生活スタイルの変化: コロナ後、テレワークから部分的な通勤への移行に伴い、顧客のサービス利用時間帯や方法が変化。
ロイヤル顧客の定義の見直し: コロナ禍にかかわらず、ロイヤル顧客の定義は定期的に見直す必要があり、時代や環境によって変わる。
定義の見直しのタイミング: 顧客行動の変化やマーケターによるデータの「違和感」を感じた時点で、ロイヤル顧客の定義を見直す。
WOWCOMの取り組み: WOWCOMは全ての時期に顧客データを分析し、変化を捉え、施策に転じている。
全4回にわたって「ロイヤル顧客」に焦点を当て、成果に繋がるデータマーケティングの裏側をご紹介
3.コロナ前後で“ロイヤル顧客の特徴”に変化はあったのか?
動画で聴く
※本編は“WOWCOMポッドキャスト”をテキスト化した内容です。またサムネイル画像およびYouTube内の画像にはDALL·E 3を使用しています。
顧客の状態を把握できているか?
コロナによって顧客の行動形式は大きく変わり、自社の顧客を上手に把握できていないケースが増えてきました。
一方、コロナ前、禍在、全ての時期において顧客のデータに向き合ってきたWOWCOMでは“顧客の変化”を的確に捉え、施策に転じています。
なぜ、違和感に気付けたのか?そして、変化に応じて施策と連携させた事例をご紹介します。
コロナで変わった“サービスへの感情”
━━━コロナ禍前後でロイヤル顧客の定義、特徴または行動に変化はありましたか?
コロナによってデジタル化が進み、これまでアナログのチャネルを利用されてた方もデジタルのチャネルを利用するようになりました。
故に、デジタル領域のユーザーの数が上がり、利用頻度が上がったりっていうのはコロナ前後であります。
また、お客さまが企業やサービスに対する“感じ方”が変わったケースがありました。
━━━どういうことですか?
コロナ禍になったからといって、企業側がそこまで大きくメッセージの打ち出しを変えたりとかサービスの内容を大きく変えた訳ではありません。
ところが、以前はお客さまがサービスに感じていなかった「癒し」「ほっとする」といった、キーワードが定性アンケートから読み取れるようになりました。
おそらく、世の中で毎日感染者数が報道され、毎日暗い情報で溢れる中で変わらないサービスというところにお客さま自身が「癒し」というものを感じてくれたのではないでしょうか。
企業やサービスがメッセージを変えなくても、お客さまの方で企業に持ってるイメージがコロナといった世の中の景況や情勢によってガラッと変わる、というのは大きな気づきでした。
━━━お客さまは潜在的に、サービスに対して「癒し」「ほっとする」などを感じていて、それが顕在化したのでしょうか?
いえ、恐らくそうではなく。コロナ前は別のサービスで、「癒し」「ほっとする」などの感情が置き換えられていたと考えています。
たまたま情勢の変化とかで感じてくださるようになった。癒しの感情を与えうる、そういうサービスに該当できるようになった、という形なのかなと考えています。
この変化を元に、例えばテレビ局などのコンテンツに編成作業があるサービスについては、メッセージの打ち出し方を変えてみたりと、編成に活かしました。
ファンの声をマーケティングに活かした事例
データの“違和感”に気づいたら、ロイヤル顧客の定義を見直す
━━━本インタビュー時の2023年10月現在、コロナ情勢は落ち着いてきています。コロナ後の観点においては、どのような変化がありますか?
コロナ前に戻っておらず、コロナによってお客さまの生活スタイルが変わっています。
たとえば、コロナ禍ではほぼテレワークで家でお仕事をしていましたが、落ち着いてきて、また通勤をするようになっています。
ただ、完全にテレワークがなくなった訳ではなく、週に何日か通勤するようになった。このような生活の変化によって、サービスを利用する時間帯が変わってきています。
コロナ禍中はちょっとした小休憩の10分にサービスを利用していましたが、通勤が始まると、通勤時間にサービス利用が集中したりなど。
このような生活スタイルの変化に応じてサービスの利用のされ方も変わってきているのを感じます。
一方、コロナ禍が落ち着き、生活スタイルが変わったことで、サービス自体を利用しなくなってしまった方ももちろんいます。
使わなくなってしまった方々は、コロナ禍中にサービスを利用してもらった記憶がどこかにあるはずです。そのため、適度な形で再想起してもらえるような施策を講じています。
なのでコロナ禍が終わったからといって、コロナ前に戻ったという感じではありません。
新しいサービス利用のされ方が始まったので、新しい対応を取らなければいけません。
━━━今回のテーマが“ロイヤル顧客とは?”ですが、コロナ前後でロイヤル顧客の定義の仕方は変えましたか?
そもそもコロナに関わらず、ロイヤル顧客の定義は一回で決まるものではなく、定期的に見直す必要があります。
「そもそも、ロイヤル顧客は定義すべきなのか?」で話したように、ロイヤル顧客のパターンはいくつかあります。パターン毎に変化を読み取り、タイミングを見て、改めてどういう人達がロイヤル顧客なのか、定義を調整しています。
一回決めたらそれで終わりではなく、見直しを掛けていくのが大事です。ロイヤル顧客の定義は時代ないし環境によって変わります。
━━━定義の見直しは、どのようなタイミングで行いますか?定期的に、見直すタイミングを設けていますか?
定期的に、定義を見直すタイミングは設けていません。
「何か変わってきたな」「利用のされ方が変わってきたな」など、普段から数字を見ているマーケターやサービスの責任者は、数字の変化に対する“違和感”に気づきます。
この“違和感”が続くと「何かが起こっている!」というのが分かる。そういうタイミングで、そのまま放置せずに定義を見直してみるのが大事です。
その時「これは定義を維持しても大丈夫」「これは定義を変えないといけない」と判断するのが良いと考えています。
>>「ロイヤル顧客を定義する中で苦労したこと。」に続く
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