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休眠顧客とは?復活させるメリットと“そもそも”重要視すべきこと。

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休眠顧客とは?復活させるメリットと“そもそも”重要視すべきこと。

【要約】休眠顧客の定義、原因、そして復活のメリット

休眠顧客の定義休眠顧客とは、一定期間サービスや商品を利用していない顧客として定義しています。具体的な期間はLTV(顧客生涯価値)やビジネスモデルによって異なる。

休眠顧客の原因:休眠顧客になる原因は、ライフスタイルの変化や他社サービスへの乗り換え、サービス自体への興味の低下など。サービスの品質も休眠顧客の理由になる場合があり、データを用いて原因を特定できる状態にしておくのが重要。

顧客ステージ管理:一例として、顧客の利用頻度に基づき、企業はヘビーユーザーからライトユーザー、休眠ユーザーといった顧客ステージを管理。ステージの変動を分析し、休眠予兆を捉えた段階で適切なアプローチを実施。

休眠顧客の復活メリット休眠顧客を復活させるメリットは、プロモーションコストの最適化とアプローチ手段の容易性。既存の顧客データを活用することで、新規顧客獲得よりも低コストで効果的なアプローチが可能。

適切なアプローチとサービス充実:適切な頻度でのアプローチや、サービス内容の充実が重要。過剰なアプローチは逆効果となるため注意。また、データ基盤やステージ管理の整備が今後のマーケティングにおいて重要な要素となる。

なぜ、休眠顧客になってしまうのか?

「休眠顧客」とは何か、明確に定義されていますか?

かつてはサービスや製品を頻繁に利用していたお客さまが、次第に利用しなくなることで「休眠顧客」となります。

本稿では「休眠顧客」の定義、休眠に至る原因、そして具体的な対応例について実例を交えながら解説します。

休眠顧客を再度活用することのメリットや、そのための効果的なアプローチ方法についての理解を深めることができます。

お客さまの関心を再び引き寄せ、ビジネスの成長を促進するためのヒントをご紹介。

スピーカー

横関 彩

2009年にWOWOWコミュニケーションズに新卒入社。 WOWOWカスタマーセンターの業務コーディネートやWOWOWの営業/プロモーション/広告・宣伝などを経て、アナログとデジタルのコミュニケーション設計やCDPの構築・導入・データ分析等を担当。現在はWOWOWで得たノウハウの外販展開を推進中。ポッドキャスト

インタビュアー

原澤 陽

合同会社HARAFUJI Co-Founder COO | 大学在学中の19歳より株式会社ギャプライズにてBtoCデジタルマーケティング、BtoBマーケティング、法人営業に従事。その後、チーターデジタル株式会社にて法人営業を経て、 現在は合同会社HARAFUJIの共同創業者として独立。BtoBマーケティングを中心とした戦略および戦術支援事業に従事している。登壇実績

休眠顧客とは?

━━━そもそも、休眠顧客はどのように定義されていますか?

サービスによって異なりますが「休眠顧客とは、一定期間、そのサービスや商品を利用していないお客様のこと」と定義しています。

━━━一定期間とおっしゃいましたが、一定期間とはどれくらいの期間を指していますか?

そのサービスの「LTV」や「ビジネスモデル」によって変わってきます。

例えば、弊社がご支援しているメディア系の企業では、2か月や3か月といった期間を閾値として設定し、休眠顧客と定義しています。

━━━なぜ、LTVを定義することは重要だと思いますか?

理由は2つあると考えています。

1つ目は、LTVを定義することで、事業やプロモーションにおいてどのタイミングで、いくら投資できるかを判断できるようになること。

2つ目は、何をしたらLTVが上がるのか、成果に繋がる要因を特定できることです。

引用元:なぜ、LTVを定義することは重要なのか?

━━━そもそも、なぜ休眠顧客になってしまうのでしょうか?

休眠顧客になってしまうのは、サービスの解約や利用停止と近い状況です。休眠顧客になる原因は、下記であることが多いです。

  • お客さまのライフスタイルの変化によってサービスとの接点が減少
  • 他社のサービスに乗り換える
  • サービス自体に興味がなくなる

━━━お客さま側の理由もある一方で、サービス自体の品質が休眠顧客の理由になっていることもあります。お客さま側の問題とサービス側の問題をどのように判断し、どのデータを用いて「これはお客さまの理由だ」「これはサービスに問題がある」と見極めていますか?

まず利用頻度が減っているという点は、行動データやログのデータから実際に確認できます。ただ、それが具体的に何が原因であるかは、休眠が始まった段階では判別できません。

例えば先ほどお話ししたメディア系の企業では、お客さまの利用頻度に基づいて顧客ステージに分けています。

これはお客様に見えるステージではなく、企業側で管理している定義です。例えば、ヘビーユーザー、ミドルユーザー、ライトユーザー、そして休眠ユーザーといった具合です。

ヘビーユーザーからライトユーザーへ段階的に利用頻度が減ってくると、「この方は休眠になりそうだ」と予測できます。

数値でステージ移動がどれくらい起こったかを見て、特定のユーザーが休眠になりそうだと分かると、その方に対してアプローチを行います。

故に、前提としてお客さまのステージやフェーズの構造を用意し、これらをデータ化し「休眠になりそうだ」という予兆をお客さまのステージやフェーズ移行の分析によって導き出しています。

ステージが組まれていて、数字を追えている状態が非常に重要です。

関連記事:【メーカーのLTV構築事例】「自社商品を継続利用してほしい」課題に対する解決例

【メーカーのLTV構築事例】「自社商品を継続利用してほしい」課題に対する解決例

休眠顧客を復活させるメリットとは?

━━━次に、休眠顧客を復活させることのメリットについて教えてください。

メリットは「プロモーションコストの最適化」と「アプローチ手段の容易性」があります。

新規の顧客を新しい市場から連れてくるよりも、休眠顧客はすでに個を特定できているため、個別にアプローチすることができます。この点でプロモーションコストは比較的、新規獲得よりも安価に抑えられる可能性があります。

また、1度コミュニケーションを取れているため、メールやプッシュ通知を使ったアプローチがしやすいというメリットもあります。

ただ、過剰にアプローチしすぎると、逆にユーザーが逃げていくことに注意が必要です。押しが強すぎると逆効果になるので、適切な頻度でアプローチを考えることが重要。

また、その間にサービスの内容を充実させることも大切です。休眠顧客だけでなく、新規獲得や現在の顧客の維持にも力を入れる必要があります。

サービスの新しい情報や、顧客が興味を持ちそうなコンテンツを提供することも有効な手段のため、休眠顧客のアプローチを検討しつつも、その間にサービスを整え、顧客の好みを把握し、その情報を適切に届けることが重要ではないでしょうか。

最後に、そもそもの前提となるデータ基盤、ステージ管理、データ管理を整理しておき、これらを前述した施策に連動できている環境を構築することも、今後のマーケティングにおいて重要な考えになると弊社は考えています。

※関連資料:インサイトの見つけ方


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この記事を書いた人

矢尻 真麻

2012年にWOWOWコミュニケーションズ入社。 入社後はWOWOWのSNS/WEBサイト/MAなどのディレクション業務を経験。現在はWOWOWでのノウハウを活かし、新規営業獲得に向けて企画推進中。

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