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新市場を開拓してビジネスを飛躍させる。ブルーオーシャン戦略とは?

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現代のビジネス環境は、多くの市場が飽和状態となっており、激しい競争が繰り広げられています。過度な競り合いに巻き込まれると、価格競争に陥ってしまうことが多く、結果として収益率が低下することもあるでしょう。このような競争環境を回避し、高価格・高利益を実現するために取り入れたいのが「ブルーオーシャン戦略」です。新市場を開拓してビジネスを飛躍させるブルーオーシャン戦略について解説します。

ブルーオーシャン戦略とは?

ブルーオーシャン戦略を理解するためには、前提となる「レッドオーシャン戦略」を理解する必要があります。

レッドオーシャンとは既存の市場を指す用語です。アメリカの経営学者、マイケル・ポーター氏の提唱した競争戦略をはじめ、これまで提唱されてきた多くの戦略は、レッドオーシャンでの戦い方を提言している傾向にあります。しかし、レッドオーシャンを攻略するには、今ある需要のなかでシェアを勝ち取っていかなければなりません。先述したように、市場の飽和化が進む現代では、競合に勝ち続けることは難しく、たとえ勝ち続けることができても厳しい価格競争の結果、低利益となるケースが多くなります。こうした価格や機能面で赤い海のような戦いを呈している様子が「レッドオーシャン」と表現されています。

一方、ブルーオーシャンとは、レッドオーシャンとは異なり、澄みきった青い海を思い出すようなもの。自らが開拓した新しい市場のなかで、競合をなくし、高利益を得るための戦略です。では、レッドオーシャンを離れて、ブルーオーシャンでのマーケティングを進めるためにはどのようにすればよいのでしょうか。まずは、ブルーオーシャン戦略を取り入れるメリットやリスクを理解し、そのうえで施策を検討してみましょう。

ブルーオーシャン戦略のメリット

ブルーオーシャン戦略は、新しい市場を開拓していく戦略で、基本的に競合がありません。そのため、加熱した価格競争も起こりにくく、高価格・高利益を実現しやすいことが最大のメリットです。先行者として市場を開拓すれば、その市場における実績が蓄積でき、追随する企業に対する優位性を保ちやすいのも魅力でしょう。競合排除が可能になるポジションを築きやすいのも利点です。また、市場開拓のパイオニアとして認知されることから、ブランド資産を高めるという効果も期待できます。

ブルーオーシャン戦略のリスク

多くのメリットがあるブルーオーシャン戦略ですが、同様にリスクもあります。新しい市場が開拓できても、時間の経過に伴い、新たなライバルの出現は避けられません。常に、新規参入者の追随から優位性を保ち続けなくてはならず、そうした攻防が続けば結果としてレッドオーシャン化してしまうでしょう。

競合の模倣戦略によって、あっという間にシェアが逆転されてしまうケースも多く、短期間のうちにそれが起きてしまう可能性も考えられます。そのため、ブルーオーシャン戦略を実行する場合には、中長期的な優位性の確保(競合との差別化)を事前に検討する必要があるでしょう。目先の新市場の発見にばかりに注目するのではなく、長期的な展開につながるプランを追求してみましょう。

ブルーオーシャン戦略を立案しよう

ブルーオーシャン戦略を構築するうえで、土台となるのが「バリューイノベーション」の考え方です。

バリューイノベーションでは、顧客への価値を創造する過程において、「差別化」と「低コスト」が重要であるとされています。ポイントとなるのは、どちらか一方ではなく、「差別化」と「低コスト」を同時に実現させることが強調されている点です。ブルーオーシャン戦略のリスクとなる競合の模倣に対して、差別化に成功できても低コストが実現できていなければ、中長期的な競合優位性は保つことはできません。

また、差別化といっても、顧客が価値を感じる要素に結びつかなければ意味がありません。実際に、イノベーションとなる技術を開発した開拓企業を模倣し、より良い価値を提供した他社にシェアを奪われてしまったケースも多くあります。まずは、バリューイノベーションを前提とし、ブルーオーシャン戦略を成功させるためのフレームワークづくりを行ってみましょう。

戦略立案のためのフレームワーク

ブルーオーシャン戦略のためには、まず何より新規市場の発見が欠かせません。市場開拓につながる代表的なフレームワークには「戦略キャンバス」と「4つのアクション」があります。

「戦略キャンバス」とは、横軸に業界の競争要因、縦軸に顧客がどの程度のレベルを享受しているかを記すことで、空白の市場を見つけ出そうとするものです。例えば、カフェ業界であれば、横軸に「スペース」、「ドリンクの種類」、「価格」といった競争要因を記します。縦軸には「スペースは5段階のうち3点」のように他社と比較したスコアを記すといった方法です。競合他社を含めて、業界の動向を取り入れたキャンバスを作成することで、市場の発見につなげてみましょう。このカフェの例でいえば、「圧倒的に広いスペースをもつカフェ」というのもひとつのアイデアです。

「4つのアクション」は、シンプルな戦略立案フレームで、4つの質問を通して新市場を見つけだす方法です。4つの質問は以下のとおりです。

  • 業界常識として備わっているもののうち、取り除くべきものは?
  • 業界の標準と比べ、大きく増やすべき要素は?
  • 業界の標準と比べ、大きく減らすべき要素は?
  • これまで提供されていなかったもので、今後付け加えるべきものは?

つまり、減らす、増やす、付け加える、取り除く、という観点から価値を創造しようとするアプローチ法といえます。より具体的な回答を出すことで、市場の発見につながるでしょう。

ブルーオーシャン戦略の事例

ブルーオーシャン戦略の成功事例として挙げられるのが、カナダのエンターテインメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」でしょう。斜陽産業だったサーカス業界に新風を起こし、子供向けから大人向けへ、ストーリー性重視のショーを提供したことで成功をおさめました。それまで、サーカスといえば子供のためのエンターテインメントとして認知されていましたが、シルク・ドゥ・ソレイユはそうした市場での展開を放棄し、新市場を開拓しています。

そのほか、ブルーオーシャン戦略で重要となる「差別化」と「低コスト」を徹底し、成功をおさめた日本のアパレル企業、ユニクロの例もあります。ユニクロは特に「低コスト」の点で注目され、自社で大量に生産することで高品質で低価格の製品を実現しています。

ブルーオーシャン戦略に挑戦しよう

ブルーオーシャン戦略は、競合がない市場を形成することで高価格・高利益を実現する手法です。すでに市場が飽和状態となっている業界や、斜陽産業に属している場合には、ブルーオーシャン戦略による売り上げ拡大が有効でしょう。長期的な視野をもったブルーオーシャン戦略に挑戦し、ビジネスを飛躍させていきましょう。

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