DATA MARKETING
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「フルファネルマーケティング」の手法を活用し、顧客を育成しよう

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多くの情報に囲まれている現代の消費者を顧客として獲得し、育成していくためには、購買プロセスの一部分に特化したプロモーションだけでは限界があります。これまでインターネット広告の分野においては、見込み客の“刈り取り”ばかりがフォーカスされてきましたが、現在ではその後の顧客育成も考慮したマーケティングが求められるようになっています。そうした背景のなか、顧客のLTV(生涯顧客価値)の向上に向けて、認知から購買、ファン化まで一貫した顧客育成プランづくりの戦略として、「フルファネルマーケティング」が注目されています。

フルファネルマーケティングとは?

売上拡大を進めるためには、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客のリピート、流出顧客の防止、買い上げ点数の増加、などさまざまな要因を考慮することになります。つまり、消費者の購買プロセスの一部に特化した施策に集中するのではなく、全体最適を考慮した施策が求められるというわけです。この購買プロセスの一つひとつをファネルと呼び、各ファネルが全体最適になるようにマーケティングを設計していくことが「フルファネルマーケティング」の考え方です。

一般的に、多くの人は一度の広告接触で商品・ブランドの購買を決定するわけではありません。商品やブランドによって異なる点はあるものの、通常「認知」から「興味」「比較(競合商品との比較・検討)」「購買」「リピート」といった段階を踏んで、購買を決定しています。フルファネルマーケティングでは、自社の商品・ブランドの購買プロセスとなるファネルを明確化し、各ファネルの施策が最適になるように設計することで、認知から購買まで顧客をリードするという手法です。

フルファネルマーケティングのメリット

購買までのプロセスを個別に分断してしまうのではなく、一つのフローとしてとらえようとするのが、フルファネルマーケティングの特徴です。ファネルごとの施策を細かく設計することで、認知から顧客化、リピートの促進まで顧客を誘導することを目的としています。

フルファネルマーケティングは、一つのファネルではなく、全体の顧客行動をみることで、どのファネルに課題があるかを見抜きやすくなるというのが、大きなメリットといえるでしょう。

例えば、「認知ファネルがうまくいかない」という課題がわかれば、アプローチ数に問題があるのではないか、といった仮説が成り立ちます。「比較ファネル」部分での課題があれば、他社と差別化するための戦略を練るべきでしょう。このようにファネルを全体でとらえることで、どこがボトルネックとなっているかがわかれば、対応策を検討することが可能です。ただし、フルファネルで顧客行動をとらえていないと課題が明確にならず、「投資をしなくても顧客化できる層に過剰なコストがかかる」「求めていたものとは異なる結果が出る」といった状況になる可能性があるため、注意が必要です。

フルファネルマーケティング戦略を組み立てよう

フルファネルマーケティングを設計するうえで最も重要となるのは、ターゲットの設定です。

ターゲットによって各ファネル(購買プロセス)が異なるため、できるかぎり明確化したターゲット設定を行うことがポイントとなります。例えば、20代女性といった大まかなセグメントをしてしまうと、20歳の大学生、24歳の有識女性、29歳の専業主婦といった購買プロセスが異なると思われる人物像を一括りにしてしまうことになりかねません。そうした場合には、結果的に、フルファネルマーケティングは機能しにくいでしょう。適切なターゲットを設定し、そのターゲットの購買プロセスを明確化することが、フルファネルマーケティングの最初の最も重要なステップです。

購買プロセスを明確化したら、全体が最適化される施策を設計します。すべてのファネルに共通しているチェックポイントは、「ターゲットのニーズは何か」「それを満たす訴求ポイントは何か」です。すべての課題を検討しながら、見込み客を獲得していくための仕組みを検討します。一例としては、リスティングやアフィリエイトで認知形成を図り、ステップメールで購買意欲の育成をしてキャンペーンで刈り取る、といった方法もあるでしょう。ターゲットと購買プロセスをもとに、自社商品にマッチする仕組みをつくれるかが売上拡大のポイントとなります。

フルファネルプラットフォームを活用しよう

これまでのマーケティング手法において、フルファネルを最適化するためには、さまざまな媒体を組み合わせて実施していくのが一般的でした。しかし、FacebookやinstagramといったSNSツールでは、認知から顧客化、リピートまでのプロモーションを一つの媒体で完結できる仕組みが整っています。このように一連の流れを単一の媒体で行う環境が、フルファネルプラットフォームと呼ばれるものです。

EC業界においてFacebookを活用したフルファネルマーケティングの例として、コレクション広告が挙げられます。インターネット上で興味を引く動画や音楽を提供した後、それに関連する商品を並べるというものです。消費者の行動に合わせた商品が表示されることから、認知形成だけでなく、興味・関心を高める効果も期待できます。さらに、その興味・関心をさらに高めてくれるのがダイナミック広告です。Facebook上での行動を分析し、ユーザーと関連の高い商品の動画広告を自動育成するという仕組みがあります。さらに、商品の価格や在庫状況といった最新情報を配信することができ、購買を促すというものです。

異なるターゲット像に対して、多くの媒体を組み合わせて実施する施策では、フルファネルの一貫性を保つための分析や解析にも手間がかかります。しかし、フルファネルプラットフォームの活用は、一つの媒体でフルファネルマーケティングを完結できることから、さまざまなリソースにおけるコスト軽減にも役立ちます。

単ファネルからフルファネルに戦略を転換しよう

フルファネルマーケティングへの誤解のひとつに、「すべてのファネルを考慮すると、多くの費用が必要になる」という考え方があります。しかし、一つのファネルを通過しても、次のファネルで漏れてしまえば、結果として顧客の獲得にはつながりません。見込み客の発掘から顧客化までは、すべてのファネルを通過してもらえるようにリードしていく必要あるのです。単ファネルからフルファネルへと戦略を転換し、フルファネルマーケティングの活用によって効率的・効果的に顧客を育成していきましょう。

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