ロジスティック回帰分析とは?マーケティング施策の成功率を予測する。
今や、マーケティング施策の立案に、データの活用が欠かせない時代になっています。
経験や勘だけに頼ったマーケティングでは、最終的な結果は予測しづらいものです。データを分析する方法が数多くあるなか、結果の予測に役立つとして知られるのが「ロジスティック回帰分析」です。
マーケティングへの応用事例も多く、信頼性の高い分析方法のひとつであるロジスティック回帰分析の活用法についてお伝えします。
目次
ロジスティック回帰分析とは?
ロジスティック回帰分析は、複数ある変数間の関連を分析するという、多変量解析の一種です。わかりやすくいうと、「ある事象の発生率」を分析できる方法といえます。
マーケティングだけでなく、医療や災害など、分析結果に高い精度が求められる分野においても活用されています。
一定の訓練を積めば、データ分析の専門家でなくても実行することができるのが大きな特徴です。また、専用のツールを必要とせず、一般的な表計算ソフトで分析が可能なため、汎用性の高い分析方法ともいえるでしょう。
ロジスティック回帰分析のわかりやすい例として、喫煙と飲酒の量に応じて、がんが発生する確率を示した関係式があります。一日あたりのアルコール摂取量と喫煙本数のデータを集め、それにもとづいてがん発生率を調べるというものです。
例えば、1日あたりのアルコール摂取量が500ml、喫煙本数が10本でがんになった人、1日あたりのアルコール摂取量が60ml、喫煙本数が6本でがんにならなかった人、というように具体的なデータ(説明変数)を集めます。集めたデータをもとに、1日あたりのアルコール摂取量が350ml、喫煙本数が9本ならがんになる確率(目的変数)、をロジスティック回帰分析を用いて予測できます。
説明変数がx1とx2……と複数あるとして、そのxの数値から目的変数yを求めていく関係式のなかで、yが1に近いほどその現象が起こる確率が高いとされています。
重回帰分析との違い
同じ多変量解析(複数の変数からひとつの目的変数を導く)のひとつに重回帰分析があります。ロジスティック回帰分析と混同されがちですが、重回帰分析は、説明変数から目的変数の「値」を予測する方法です。例えば「天候から販売量を予測したい」といったときに活用できます。
一方、ロジスティック回帰分析では、「DMを受け取った顧客がその後購入したか、しなかったか」など、ある特定の現象が起こるか、起こらないかを予測します。現象が起こるか、起こらないかを探る際に、明確な結果を求める場合、重回帰分析では期待するデータが得られません。
オッズ比で説明変数への影響力がわかる
ロジスティック回帰分析は事象が起こる確率を求める方法であり、同時に、事象が起こらない確率も分析が可能です。ある事象が「起こる確率」と「起こらない確率」との比率をオッズ比とよびます。
オッズ比を利用することで、確率だけでなく各説明変数が目的変数に与える影響力も分析することが可能となります。例えばギャンブルにおいては、オッズ比をもとに的中した際の倍率が決定されます。
マーケティングに活用しよう
ロジスティック回帰分析では、イエスとノーを明確に定義して、その起こる確率を予測することができます。重回帰分析では、マイナスや1以上の確率が導かれることがあるため、商品を購入したか、しなかったかといった2値の選択しかない場面ではロジスティック回帰分析を選択すべきでしょう。
上述した、DMの例は代表的な活用法のひとつです。DMに反応して購入したユーザーを「1」、購入に至らなかった顧客を「0」と定義すれば、ひとりあたりの購入確率を算出することができるでしょう。購入確率の高い順番にDMを送るようにすれば、ランダムに手配するよりも成果が出やすくなるはずです。
また、キャンペーンの反応率を分析する際にもロジスティック回帰分析は有効です。例えば、ある販売促進キャンペーンのために、サイト内に新たなページを制作したとします。
その際、キャンペーンページを閲覧した後に購入した人と、サイトを見ずに購入した人の割合を確認することで、サイトの効果やキャンペーンそのものの販売促進効果を分析できるでしょう。
そのほかにも、顧客リストを得てから3日以内にアプローチした場合の購入有無や、営業担当者の電話回数と受注率など、さまざまな場面でロジスティック回帰分析が役立ちます。
施策の成功率を高めよう
ロジスティック回帰分析は、ある事象が発生する確率を予測する分析方法です。マーケティングへの応用事例も多く、信頼性の高い分析方法といえます。
ロジスティック回帰分析を用いて施策の成功を予測できれば、確率の高い手法の実施に向けて、効率的に費用を投資できるのではないでしょうか。
また、継続的に実施することでデータが蓄積され、成功予測の精度は高まります。予測の精度が高まれば、マーケティング施策の成功率も上がるはず。より効果の高いマーケティング施策を選択するためにも、ロジスティック回帰分析を上手に活用してみましょう。
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参考:
- 【ロジスティック回帰分析】使用例やオッズ比、エクセルでの使い方も紹介!|Udemy
- ロジスティック回帰分析とは|Analytics
- マーケティングに活用できるデータ6つのデータ分析手法|marketingbank
他にも、データマーケティング事例がございます。ぜひご覧ください。