なぜ、LTVを定義することは重要なのか?
【要約】LTVの定義が重要な理由は「投資判断」と「成果への要因特定」
LTVの定義の重要性:LTVを定義することにより、ビジネスのさまざまな段階で投資のタイミングと金額を具体的に決定できるようになる。また、LTV向上のための要因を特定することで、どのように投資すれば効果的かを明確にすることができる。
LTVの定義と顧客満足度の向上:お客さまの声を分析し、それが顧客満足度にどのように影響するかを理解することで、LTVを効果的に向上させることができる。単純なLTVの計算式を構築することに集中するのではなく、常に「何がLTVを向上させる要因なのか?」の特定に集中することが重要。
※本編は“WOWCOMポッドキャスト”をテキスト化した内容です。またサムネイル画像およびYouTube内の画像にはDALL·E 3を使用しています。
LTVで事業成長を促進
多くのマーケティング担当者が直面する問題の一つに、投資のタイミングと金額の適切な判断があります。
資源が限られた中で最大の効果を得るために、いつ、どれだけの資金を投じるかが、成果を出す鍵。
WOWOWコミュニケーションズでは、LTV(ライフタイムバリュー)をしっかりと定義することで、これらの重要な決定をサポートし、事業成長を促進することを可能としています。
本記事では、LTVを正確に定義し、活用する方法を詳細に解説。そのプロセスで得られる具体的なメリットを紹介します。
データに基づいた意思決定によって、最終的にROIの最大化を図る
━━━なぜ、LTVを定義することは重要だと思いますか?
理由は2つあると考えています。
1つ目は、LTVを定義することで、事業やプロモーションにおいてどのタイミングで、いくら投資できるかを判断できるようになること。
2つ目は、何をしたらLTVが上がるのか、成果に繋がる要因を特定できることです。
1点目は、例えばサブスクリプションのビジネスモデルでいうと、LTVを定義することでユーザーが今後どれくらい継続利用してくれるかがわかります。
また、ユーザー獲得のプロモーションに、具体的にどれぐらい投資できるかも判断できるようになります。
さらに、顧客に契約を維持してもらうのにどれぐらいの費用をかけないといけないのか。いくら投資すると解約率を維持、ないし改善できるのか、シミュレーションができるようになります。
結果、様々な点で何に、どのタイミングで、いくら投資できるかの判断をできるのがLTVを定義する1つ目のポイントです。
※関連記事:【メーカーのLTV構築事例】「自社商品を継続利用してほしい」課題に対する解決例
━━━2つ目の「何をしたらLTVが上がるのか、成果に繋がる要因を特定できること」については、どういうことでしょうか?
LTVは、継続期間や製品やサービスの価格といった定量データがあれば、公式化は簡単にできます。
しかし、WOWOWコミュニケーションズとして重要視しているのは「LTVが上がる要因は何か?」を特定すること。
定量データを活用したよくあるLTVの計算式を用意しつつも、同時に、定性データを含めた「ここに投資すればLTVは上がる」、その要因をLTVの定義に組み込みます。
※関連記事:インサイトを見つける方法とデータマーケティング施策への活かし方
━━━何か、事例はありますか?
WOWOWコミュニケーションズのお客さまである、とあるメーカーを事例にお話しします。こちらのメーカーさんでは、まず、下記のような情報を収集しました。
- 契約者様の情報
- 契約日時
- 顧客別の購入商品情報
- 継続期間
- 解約情報
- プロモーション関連の費用の情報
- 顧客維持に関連している費用の情報 etc
上記のデータを頂き、さらに、各データを細かく分解していきます。
━━━具体的に、どのように分解していくのですか?
例えば「プロモーション関連の費用の情報」と「顧客維持に関連している費用の情報」であれば、資金投下割合と時系列が重要です。
全体的なプロモーション費用の6割は顧客獲得時のタイミングで掛け、顧客維持には4割使っている…など。
加えて、最もプロモーションを投下している時期はいつか、通年通してどのようにプロモーション費用を分けているのか、それは毎年そうなのか…などもデータ化します。
これらを見ていくと、例えば「コールセンターに一番電話がかかりやすいタイミングは加入してから何カ月後ぐらい」など、ユーザーの行動を可視化したり、シミュレーションを作ることでプロモーションの費用とタイミングを最適化していきます。
━━━単純にプロモーションを行うのではなく、データに基づいた意思決定によって、プロモーションの費用とタイミングを最適化することで、最終的にROIの最大化を図るわけですね。
LTVは、どのようにしたら上がるのか?
━━━LTVを定義する中で苦労されることは何でしょうか?
閾値を決めることです。
例えば、3年、5年といった、ある程度分かりやすい区切りを最初に持たせます。その後、定量データを使って様々なシュミレーションを繰り返し、最終的な閾値を確定させます。
ここはひたすら膨大な定量データとにらめっこするため、非常に時間がかかります。
━━━定量データを取得し、単純に公式に当てはめればLTVの公式が出る…とは行かず、時間がかかる作業ですね。
WOWOWコミュニケーションズが定めた、定量データを活用したLTVの計算式をお客さまに納品して終わり…ということは弊社としてしたくありません。
お客さまのご担当社さまが、例えば「数年後に解約率を〇〇%下げるために、今、どれくらいの費用を、どこに投下したらいいのだろう?」と、複雑なシミレーションがいつでも簡単にできるLTVの定義、これを納品しています。
※関連サービス:データコンサルティング
━━━LTVはどのようにしたら上がりますか?
重要なのは、顧客満足度を押し上げる要因が何かを特定することです。繰り返しですが、単純なLTVをの計算をするのは簡単です。
しかし、「顧客満足度を押し上げる要因」を探すのには、お客さまの声、VOCを活用することが大切。
WOWOWコミュニケーションズの場合は、定性アンケート調査の手法を元に、「顧客満足度を押し上げる要因」を特定しています。
調査の際は、顧客満足度の高い方を特定し、その方々が「なぜ、好きでいてくれるのか?」をアンケートから導き出します。
「なぜ、継続利用してくださるのか?」「何にメリットを感じているのか?」…こういった声を拾っていきます。
そうすると「どうやら〇〇の要素があると、長く続けるようだ」「〇〇に満足度のポイントがある」といった要因が導き出せます。
これが顧客満足度を押し上げる要因になるので、LTVを向上すべく、LTVの定義として使用します。
※関連記事:インサイトを見つける方法とデータマーケティング施策への活かし方
━━━LTVと聞くと、計算式のようなイメージがありました。しかし、横関さんのお話を伺っていると、単純な計算式だけでなく、お客さまの声、ひいてはVOCがLTVの定義を行う上で重要なのですね。
お客さまの目的は、LTVを計算することではありません。LTVを上げるのが目的です。
WOWOWコミュニケーションズとしては、単純なLTVの計算式を構築することに集中するのではなく、常に「何がLTVを向上させる要因なのか?」の特定に集中しています。
これに集中した結果、最後はお客さまの声に全てが詰まっていることがわかりました。
そのため、今も昔も、常にお客さまの声に耳を傾けています。
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