AISCEASとは?AIDMAとAISASとなにが違うの?各フレームワークの活用法を紹介
効果的なマーケティングのためには、AIDMA 、AISAS、そしてそれをさらに発展させたAISCEASの理解が必須です。似たような名前で区別しにくい用語ですが、マーケティング戦略の策定には欠かせません。ここでは、それぞれの概念や活用の仕方をご紹介します。
目次
AIDMAとは?
AISASとAISCEASの説明の前にまず、これらの前身であるAIDMAについて説明します。
AIDMA(アイドマ)とは1920年代に提唱された基本的な消費者行動モデルで、消費者の商品やサービスの購入までのプロセスを、次の5段階に分けています。
- Attention(認知・注意)
- Interest(興味・関心)
- Desire(欲求)
- Memory(記憶)
- Action(行動)
例えば、車を買う場合を考えてみましょう。まずテレビのCMや各種媒体で、新しいモデルが出たことを知り(A)、興味をもちます(I)。そしてそれが欲しいという欲求が生まれ(D)、そのモデルを記憶して(M)、購買という行動(A)に移します。
AISASとは?そして、AISCEASとは?
インターネットの普及に伴い、消費者の行動パターンは大きく変わりました。最も大きな変化は、製品やサービスに興味をもった消費者はまずネットやSNS上で「検索」して口コミを含めた情報を収集し、購入後や使用後にその評価をネットやSNSで発信して、他の消費者と「共有」することにあります。
そこで生まれたモデルがAISAS(アイサス)とAISCEAS(アイセアス)です。
AISAS
1995年に電通が提唱したモデルで、AIDMAモデルから「欲求(D)」と「記憶(M)」を除いて「検索(Search)」を入れ、行動の後に「共有(Share)」を加えたもので、次のような流れとなります。
- Attention(認知・注意)
- Interest(興味・関心)
- Search(検索)
- Action(行動)
- Share(共有)
「記憶」が外れたのは、自分の頭に記憶させなくても、ITツールの普及によって、検索の過程でモバイルや端末に記憶させることができるようになったためです。
AISCEAS
2005年にアンヴィコミュニケーションズにより提唱されたモデルで、AISASをさらに細かく分けて「比較」と「検討」を加えました。次の流れとなります。
- Attention(認知・注意)
- Interest(興味・関心)
- Search(検索)
- Comparison(比較)
- Examination(検討)
- Action(行動)
- Share(共有)
AIDMAやAISAS、AISCEASの活用の仕方
AIDMA やAISAS、AISCEASといった分類がマーケティングにおいて有効なのは、各段階で顧客に対する効果的なアプローチができるためです。
上と同じように車を買う場合を例にとって、まずAIDMAに沿って考えてみましょう。
まずその車を「認知(A)」して「関心(I)」をもった段階の顧客に対しては、不特定多数にイメージで宣伝したモデルの仕様など、さらに詳しい情報を提供します。そして欲しいと思う「欲求(D)」の段階に入った顧客に対しては、さらに積極的な売込みでその車を記憶させて他社に流れないようにします。最後に購入という「行動(A)」に移った顧客に対しては、例えば分割払いやネットでオーダーできるなど、購買しやすい環境を提供することで、他社との差をつけて購買に導きます。
AISASとAISCEASの場合は、これに「検索」「比較」「検討」と「共有」が入ります。宣伝されているモデルに興味をもった顧客は、仕様などのさらに詳しい情報を得るためにネットで検索し、他のブランドやモデルと比較して検討するのが普通です。この場合、そもそもネットで検索して出てこない、もしくは出にくい商品は、検討の対象から外れてしまうということになりますから、自社サイトを中心に検索されやすい情報を発信することが必須となります。
実際に購入してくれた顧客に対しては、その満足度をなるべく多くの人とシェアしてもらうことで拡散効果を得たいもの。紹介によるディスカウントの提供や、ソーシャルネットワークで使えるような宣伝素材の提供といった工夫ができるでしょう。
そのほか、売り上げが伸びなかったり売り上げが落ちたりした商品の原因は、AIDMA やAISAS、AISCEASいずれかのモデルに照らし、どの段階に問題があるのかを分析して対策を立てることもできます。例えば、購入行動に導くために「認知」されやすくなっているか、消費者の「関心」を引く広告になっているか、購買「欲求」をそそるプロモーションになっているかの分析は、効果的なマーケティング戦略の立案につながります。
いくらインターネットが普及したとはいえ、すべての商品やサービスにAISASやAISCEASを適用できるわけではありません。買う前にいちいちネットで検索して調べたり、ほかの消費者と評価を共有したりしない人もいます。しかし、いずれにしても基本のAIDMAに沿った分析と対策は必要です。
インターネット時代のマーケティングはAISASで
消費者の行動パターンはインターネットの普及に伴い大きく変わっており、従来のAIDMAモデルもAISASやAISCEASに進化しました。マーケティングを行うためには、こうしたモデルに従って分けた消費者の行動段階別に、それぞれに適した効果的な手法を適用する必要があります。特にインターネット時代では、AISASで見直された「検索」と「共有」に注目し、この段階を強化する必要があるといえます。
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