専門家に頼らずに活用できる!ビジネスインテリジェンスとは?
企業の各部門において多種多様なデータが集まり、さまざまな形で管理されるようになった今の時代、これまで以上にデータの蓄積や分析に悩んでいるという企業は多いのではないでしょうか。そうした課題を解消するためのソリューションとして注目されるのが、「ビジネスインテリジェンス」です。今回はこのビジネスインテリジェンスとは何かを解説します。
目次
ビジネスインテリジェンスとは
「ビジネスインテリジェンス(BI)」とは「専門家ではない社員や経営者などが企業内外に蓄積されたデータを独自に統合・分析・加工し、ビジネス上の意思決定に活用するシステムや概念」を指します。利益分析をはじめ、さまざまなデータを一元化しながら、迅速に経営判断につなげるために活用されます。1958年にIBM研究所のハンズ・ピーター・ルーン氏が提唱し、1989年に米国の調査会社ガートナー社のアナリスト、ハワード・ドレスナー氏が今日の概念へと整理したといわれています。また、ビジネス上の各種の意思決定を支援するため、意思決定支援システム(DSS:Decision Support System)のひとつと見なされることもあります。
なぜ今ビジネスインテリジェンスが必要なのか
上述したように、ビジネスインテリジェンスの概念は以前から使われてきました。しかし、近年改めて重要視されるようになった背景には以下のような理由があると考えられます。
専門家の手を借りずにデータ分析を行う必要性
ビッグデータ時代を迎え、企業は膨大な量のデータを扱うようになりました。しかし、データ分析の専門家であるデータサイエンティストの数は世界的に不足しており、2018年現在、日本においてはまだその役割も確立されていない状況であると言えます。そうしたことから、専門家でない一般の社員が必要なデータ分析を行い、業務に活用することができるシステムが必要とされています。
複雑化するデータ管理・分析を統合・整理する必要性
現在では、多くの企業でERP、CRM、SFA、POSなどのITソリューションを導入し、業務の効率化や分析精度の向上を図っているものの、こうしたシステムを個々に管理しているだけでは、蓄積したデータ全体を結び付けて有効活用することができないという課題を抱えがちです。総合的な経営判断を効率的に行うためにも、収集したデータを統合し、整理や管理を進める必要性が高まっています。
迅速な意思決定の必要性
ビジネスのグローバル化やIT化が進み、企業間の競争が激化している現在、各部門の責任者や経営者は、迅速な意思決定を求められるようになりました。さまざまなデータを一元管理し、専門家の手を借りずに分析を行えるビジネスインテリジェンスは、そのニーズを満たすものといえるでしょう。
ビジネスインテリジェンスツールの機能
では、実際にビジネスインテリジェンスツールを導入した場合、どのような機能を利用できるのでしょうか。代表的なものをご紹介しましょう。
- DWH(データウェアハウス)
発生したデータを時系列に保管するデータベース。データを主題ごとに整理して格納するもので、過去のデータを基にした比較や分析などに活用可能。 - ETL(データ加工)
システムに蓄積されたデータを抽出して利用しやすく加工し、データベースに書き出す機能。 - OLAP(オンライン分析処理)
蓄積されたデータを多次元的、多角的に分析する機能。業績管理や市場分析をはじめ、購買行動の法則に素早く気付けるようになる。 - データマイニング
データの複雑な統計分析を行う機能。相関分析によって、これまで見えなかった関係性を知ることができる。 - プランニング
過去のさまざまなデータを使ってシミュレーションを行う機能。予算を決める際に利用できます。 - レポーティング
ダッシュボードでデータを共有・可視化する機能。KPIの達成度が確認できる。
ビジネスの現場においては、これらの機能を、顧客や在庫の分析、営業支援、その他の分析などに活用することができます。ビジネスインテリジェンスのツールにはオンプレミス型とクラウド型があるので、使いやすいシステムを選択するとよいでしょう。
迅速な経営判断の一助に
企業経営における活用の幅が広いビジネスインテリジェンス。各部門でそのメリットを業務に生かすとともに、スピーディーな経営判断に役立てましょう。
参考: