【株式会社オプテージ】コールセンター研修にソーシャルスタイル理論を実装した理由
「今回の研修を受けたことで、どの方向性で管理者がオペレーターに対応策を講じていくべきかが明確になり、管理者の悩みが減ったと聞いています。」
関西一円に広がる独自の光ファイバーネットワークを基盤に高品質で低価格なサービス(eo光)を提供している株式会社オプテージ。
2024年、WOWOWコミュニケーションズの「ソーシャルスタイル研修」を、eo光のお客さまのサポートを担当しているお客さまサポート部のみなさまに受講頂きました。
「デジタル化が進むことで、人が対応する分野は個別のトラブルや悩みごとの相談など、より難易度が高くなるでしょう。その際、ソーシャルスタイルのような手法を活用して、お客さまの表面的な問い合わせだけでなく、より深いニーズを探る力を高めていければと思っています。」
なぜ、ソーシャルスタイル理論をコンタクトセンターの現場に応用しようとされたのか?また、現場への実装はどのようになっているのか?
ソーシャルスタイル研修導入の背景とその感想を伺いました。
トップボックスこそ感動体験により近い評価が得られる。
━━━お客さまサポート部の業務内容をご教示ください。
山内様
お客さまサポート部の位置づけとしては、主にeo光のお客さまサポートを担当している部署です。
役割は大きく3つあります。
1つ目は、eo光に関するお問い合わせを通じてお客さまに高品質なサポートを提供すること。
2つ目は、コンタクトセンターを円滑に運営し、応対品質の向上を目指し日々改善活動を実施すること。
そして3つ目が、サービス企画部門と密に連携して、お客さまからの問い合わせ内容を受けてより良いサービス提供に繋げるためにフィードバックすることです。
━━━お客さまサポート部の中に、それぞれの役割を担うチームがあるのでしょうか?
山内様
お客さまサポート部には4つのチームがあります。
- サポート統括チーム:コンタクトセンター運営企画を担当するチーム
- サポートイノベーションチーム:DXや運用含めたサポート運営を改善検討するチーム
- テクニカル運用チーム:インターネットやテレビ、電話に関する技術対応業務を担当するチーム
- 契約アシストチーム:主に料金や契約関連の業務を担当するチーム
━━━ありがとうございます。みなさまはどのような役割を担っていますか?
森田様
私はサポート統括チームの中で活動していますが、チーム内でもいくつかの班に分かれています。
私と江口は品質管理班に所属。当班は、主にセンターのKPI管理を行っており、例えば、お客さまがコンタクトセンターへの待ち時間を短くして繋がりやすくしたり、問い合わせ対応の品質改善などを図っています。
私自身は、応答率やサービスレベル、処理効率、お客さまの満足度、品質のモニタリングなどの数値を管理する役割を担っています。
━━━応対品質において、貴社はどのような考え方で取り組まれていますか?
江口様
以前は、応対品質の考え方はどちらかと言うと効率を重視していました。コンタクトセンターをより効率的に運営し、コスト削減につなげることが品質評価の中心でした。
しかし、現在は世の中の動向を鑑みて、CXを重要視する方向にシフトしました。
コストに直結する効率は大事ですが、究極的に追求するのではなく、最適化する方向へと変えました。そして、応対品質の部分を最大化するという形に変わったのです。
品質の評価軸として、お客さまサポート部ではお客さまアンケートの5段階評価を用いています。過去には*トップボックスとトップ2ボックスの両方を見ていましたが、現在はトップボックスを重要KPIとしています。
なぜなら、トップボックスこそ感動体験により近い評価が得られると考えたためです。
会社全体ではNPSも重要視しており、アンケートにおける5段階評価と連動させています。お客さまサポート部ではトップボックスを注視し、NPSと連動して評価を行っています。
※トップボックスとは?:お客さまアンケートの5段階評価において、最も評価の高いアンケート結果のこと。
なぜ、コンタクトセンターの研修にソーシャルスタイルを組み込んだのか?
━━━なぜ、貴社のコンタクトセンターに、弊社のソーシャルスタイル研修を導入しましたか?
大西様
テレビブースでは「解決率を上げればお客さま満足度が向上するのではないか?」と考え、さまざまなトライをしてきました。
しかし、トップボックスを向上させるという点では解決率ではなく、印象の良さが最も相関が強いことが分かりました。
特にテレビブースのお客さまでは、その傾向が強かったです。
そのため、印象を向上させるための具体的な方法を模索する中で、ソーシャルスタイル理論に注目し、貴社に研修をお願いしたのが理由です。
━━━社内で解決を試みている中で、なぜ、弊社のような外部に研修を依頼したのですか?
森田様
最初は独学で対応していました。しかし、独学では協力会社先からの質問に対して、こちらから明確な答えを提示するのが難しい場面がありました。
そこで、プロの知見を得るために、外部から講師の方を招ける会社を探すことにしました。
━━━協力会社に外部からの品質研修を行うのは、これまでにも実施していたのですか?
江口様
実施していません、今回が初めてです。先ほど森田が説明したように、独学での協力会社対応に限界が見えてきたことが背景にあります。
そこで、さらに社内で知恵を絞って対応するか、外部に委託するかを検討し、外部対応を選択しました。また、今回外部を利用した理由としては、弊社がWell-beingに取り組んでいることもあります。
現場向けに、社内ではなく外部講師に依頼することで現場が新鮮味を感じ、より効果的に学びの機会を提供できると考えました。
━━━どのようにして、WOWOWコミュニケーションズを見つけましたか?
森田様
弊社のメンバーが、月刊誌「コールセンタージャパン」で御社の取り組みの記事を見つけました。それをきっかけに、問い合わせさせていただきました。
山内様
ちょうど、2024年8月号にも御社の記事が掲載されており、私も拝読しました。
私たちもこの雑誌を定期購読しているので、記事を読んでいた担当者が御社の取り組みを覚えていたのは、やはり素晴らしい内容だったからだと思います。
━━━研修先は弊社以外にも複数あったかと思います。研修先を依頼する際の比較ポイントは何だったのでしょうか?
江口様
今回はテレビのブースを研修の対象としましたので、御社のビジネスモデルや業界と親和性があるのも、ポイントの一つでした。
WOWOWコミュニケーションズはWOWOWのコンタクトセンターを担っていて、実際に電話対応のシーンでソーシャルスタイル理論を活用されていた点も大きかったです。
森田様
いくつかの企業を比較検討した際、オンライン研修に対応していただける点が決め手の一つでした。弊社は関西だけでなく、遠隔地にも拠点があるためオンラインでの実施は必須でした。
また受講時間についてもポイントでした。長時間の研修は実際に研修を受けるだけでなく、新しく入ってくるオペレーターの研修も必要なときに、半日や1日の研修は難しいです。
その点、WOWOWコミュニケーションズでは研修を3時間にまとめて頂けると伺い、他社よりもコンパクトに受講できると感じました。
研修内容がしっかりとコンパクトにまとまっている点が非常に大きなメリットでした。
実際に、組み込んだ結果。
━━━研修を実際に受けられてみて、いかがでしたか?差し支えなければ、5段階評価で感想を教えてください。
森田様
5段階評価ですと、5点です。
良かった点としては、やはり豊富な事例を交えながらお話しいただけたことです。
具体的には、ソーシャルスタイル理論の4象限に分けたタイプ分けの説明の際にも、具体的な例を挙げてご説明いただいたため、理解が非常にスムーズに進みました。
またグループワークが多く、座学とのバランスも良かったです。
大西様
準備段階から、当社の業務に寄せた内容にしてほしいと相談させていただきました。これを反映頂き、ワークで使用する音声なども当社の業務に合わせて組んでいただけた点が非常に良かったです。
特に、テレビ業界の業態や現場に合わせた形で対応していただけたことが印象的でした。
━━━現場の反応はいかがでしたか?
大西様
オペレーターへの浸透活動はこれからですが、管理者レベルは明確な判断ができるようになっています。
研修以前は、管理者レベルでも、オペレーターから「ソーシャルスタイル理論をどうやって適用すればいいのか?」と質問された際に、正しい答えが見つけにくく、方向性もはっきりしないことがありました。
また、管理者によって解釈や認識が異なり、回答の統一性もなかったです。
以前は、いろいろなウェブサイトを参考にしていましたが、どれを信じればいいのか迷うこともありました。
現在では、今回の研修を受けたことで、どの方向性で管理者がオペレーターに対応策を講じていくべきかが明確になり、管理者の悩みが減ったと聞いています。
━━━研修を受講される前、どのようなシーンで「管理者の解釈や認識の異なり」に気づきましたか?
大西様
どれだけソーシャルスタイル理論が浸透しているかを確認するために、中間アンケートやインタビューを実施していました。
その過程で、解釈に大きなズレがあることに気付きました。
例えば、相手に合わせるのではなく、逆にお客さまを自分のソーシャルスタイルに引っ張っていくような考え方が見られました。
このようなズレがあると、管理者も適切に指導することが難しくなりますし、ひいては現場レベルの統一性が図れません。
今回の取り組みで、その認識を統一することができました。
━━━協力会社のオペレーター向けの研修では、どのようなことを行っていますか?
森田様
基本的には、弊社のマニュアルに沿った内容を各社で実施してもらっています。プラスアルファで、各社が自主的に外部研修を受けているという話も聞いています。
江口様
当社側からはミニマムスキルを設定していますので、ミニマムスキル習得までの具体的な方法は問うていません。ですので、研修の内容については、弊社から指示することは基本的にはありません。
━━━ありがたいことに、現在、弊社の研修以外に新たなご要望を頂いております。なぜ、追加のご要望をご検討頂けているのでしょうか?
森田様
背景として、研修の講師の方への好印象、またWOWOWコミュニケーションズ独自のノウハウ提供があります。
研修は水田さんにご対応いただき、とても分かりやすく、導入しやすい内容でした。おかげさまで、研修を基にマニュアルの方針を刷新できました。受講者の満足度も高かったです。
また、リテンションに関するノウハウを共有していただけたことも検討の背景の一つです。リテンション業務については特にモニタリングの知見が乏しかったため、非常に助かっています。
これらの背景を鑑みて、WOWOWコミュニケーションズの営業より、ソーシャルスタイルとは別の視点で応対品質評価のいくつかの提案をいただき、検討を進めております。
━━━リテンションへの取り組みは、最近始められましたか?
江口様
いえ、以前から継続的に取り組んでいます。
課題としては、オペレーターの音声を聴くと、お客さまに継続してご利用していただくためのトークにばらつきが生じていることです。
これまでは、ツールや方法を現場に提供して、「これでお客さまにサービス継続していただくための案内を行ってほしい」と考えていました。
しかし、そのツールを使いこなせる人とそうでない人がいることで、結果的にお客さまへの案内にばらつきがあった。
応対品質向上のためにモニタリングはしているものの、リテンションの観点でどのようにモニタリングし、それを改善するかというノウハウは持っていませんでした。
その中で、WOWOWコミュニケーションズがそういったモニタリングを行っていると知り、参考にできればと思ったのです。
━━━WOWOWコミュニケーションズに対して、今後、どのような期待がありますか?
山内様
具体的には決まっていませんが、コンタクトセンター運営における要所でご相談を差し上げるかもしれません。
我々のコンタクトセンターは、オペレーターの働きがいややりがいを高めることで、有人サポートの品質を向上させ、お客さまの体験価値をさらに向上させるという循環を目指しています。
これまでも取り組んできましたが、今後はさらにPDCAを回してブラッシュアップしていくことが大きな課題だと考えています。
そのPDCAを進める中で、「WOWOWコミュニケーションズはこんなこともできるのかな?」と思うことがあれば、ぜひご相談させていただきたいと考えています。
━━━最後に、これから取り組んでいきたい分野や部門はありますか?
山内様
コンタクトセンターは、お客さまからの問い合わせにいつでもご満足いただくサポートを提供し、信頼を寄せていただく存在であり続ける必要があると考えています。
そのために、コンタクトセンターメンバー全員が、より高品質なサポートができるよう日々応対品質を向上させる取り組みに注力するとともに、お客さまからいただく貴重な「声」から、お客さまの暮らしがもっと楽しく、便利になるサービス開発につなげていきたいと考えています。
江口様
今後、DXの一環でデジタルシフトがより一層進むことで、簡易なQ&A対応はデジタルの分野で完結していくと想定されます。そのため、人が対応する分野は個別のトラブルや固有の悩みごと相談など、難度の高い問い合せ割合が増加していきます。
そのような中でもCXを向上させていくために、ソーシャルスタイルのような手法を活用して、お客さまの表面的な問い合わせだけでなく、より深いニーズを探る力を高めていければと思っています。
また、オペレーターの対応力を強化するということは、現場に負荷をかけるということにもなりますので、Well-beingにも注力し、働きやすく、働きがいのある職場を提供していきたいと考えています。
時代に合わせて、職場環境を改善していきたいですね。
※お電話でのお問い合わせ | 0120-808-434