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ポジショニング戦略とは?作り方と気を付けるべき7つのポイント

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ポジショニング戦略の作り方

ポジショニング戦略とは「消費者の頭の中にある競合との相対的な位置付けを目的とした、最適な経営資源配分の具体策」を意味します。

本稿は、下記の方におすすめです。

  • マーケティング関連の業務に携わっている方
  • これからマーケティングを学ぼうと考えている方
  • 定性データを元にポジショニング戦略を図ろうとしている方

マーケティングを行う上で、必ずといっていいほど”ポジショニング”が議論になります。

実は、ポジショニングはマーケティングにおいて必ずしも必要ではありません。なぜでしょうか?

この背景を紐解くべく、まずは知っておくべき言葉の定義を揃えます。その上で、ポジショニング戦略の具体的な作り方を解説。

最後に、作る上で気をつけるべき7つのポイントをご紹介します。

WOWOWコミュニケーションズのマーケティング事例はこちら

戦略とは?ポジショニングとは?そして、ブランディングとは?

そもそもなぜ、ポジショニング戦略が必要なのか?

冒頭の繰り返しですが、マーケティングにおいてポジショニングは必ずしも必要ではありません。なぜなら、ポジショニングは手段であって目的ではないためです。この意味を紐解くために、まずは”戦略”の意味を整えます。

戦略とは?

戦略とは「目的を達成するために資源(リソース)を配分する「選択」のこと」を意味します。

A set of choices to define how to allocate resources in order to achieve an objectives.

引用元:戦争論 独題:Vom Kriege

要は、資源配分の最適化を戦略と言います。そして、戦略は3つの要素に分解できます。

認知、配荷、そしてプレファレンス(好意度)をできるだけコントロールすることが、戦略の重要なポイントです。そして、3つのうちのプレファレンスの強度を高めるために、ポジショニングが必要なのです。

故に、ポジショニング戦略はプレファレンスの強度を高める手段の一手であり、目的ではないのです。あくまでも、目的はプレファレンスの強度をいかにして高められるか。

目的と手段を履き違えると、いずれ、組織上で手段が目的化し、知らぬ間に間違った方向に進んでしまします。

それでは次に、ポジショニングとは何かについて解説していきます。

ポジショニングとは?

ポジショニングとは「消費者の頭の中にある競合との相対的な位置付け」です。突然ですが「車ブランドといえば?」と聞かれたら、今、どのブランドを頭に浮かべましたか?

おそらくトヨタ、日産、ホンダ…といったブランドが浮かんだのではないでしょうか?はたまた、ベンツやレクサスといった方もいたのでは?

我々消費者の頭の中では「〇〇といえば?」と聞かれた時、瞬発的に何かしら想起します。マーケターは常に自社の市場において「〇〇といえば?」と消費者に聞いた時、一番始めに思い浮かべてもらうことに尽力しなければなりません。

では、どのように想起率を高めるのか?

ここで重要となってくるのが「ブランディング」。

ブランディングとは?

ブランディングとは「ブランドエクイティーを築くための一連の活動」を意味します。

そしてブランドエクイティーとは「消費者の頭の中にあるブランドに対する一定のイメージのこと」です。

故に、消費者の頭の中に「選ばれる必然」を作ることがブランディングであり、必然の理由作りの一環にポジショニング戦略があります。

定義のまとめ

ここ言葉の定義について、おさらいしましょう。

  • ポジショニング戦略とは「消費者の頭の中にある競合との相対的な位置付けを目的とした、最適な経営資源配分の具体策」
  • 戦略とは「目的を達成するために資源(リソース)を配分する「選択」のこと」
  • ポジショニングとは「消費者の頭の中にある競合との相対的な位置付け」
  • ブランディングとは「ブランドエクイティーを築くための一連の活動」
  • ブランドエクイティとは「消費者の頭の中にあるブランドに対する一定のイメージのこと」

これらを理解した上で「具体的に、ポジショニング戦略はどのように作ればいいのか?」、その作り方をご紹介していきます。

ポジショニング戦略の作り方

ここでは5つのフレームワークの要約をご紹介します。各フレームワークの解説記事については、各URLよりご覧ください。

ポジショニング戦略の作り方①:14個の質問

自社サービス・プロダクトに対して “14個の質問”を実施します。これを行うことで、自社がとるべきポジションの要素が見えてきます。要素が揃ってきたら、これを後述する戦略キャンバスを使って競合と比較していきます。

質問の一覧はこちら

ブランド・エクイティーは?"何が"、価値を下げている?家族へどのように説明する?

ポジショニング戦略の作り方②:その要素、本当に重要?

ここでは抽出した要素が「どれだけ消費者にとって重要か?」、要素の重要性を7つの質問で明確にします。これを行うことで要素毎の重要度が判明し、どの要素に対して資源配分の最適化が必要かが見えてきます。

課題の深掘りに活用できる質問集はこちら

課題を、深掘る

ポジショニング戦略の作り方③:戦略キャンバスとは?作り方を解説

ポジショニング、ときいて思い浮かべるのは四象限の表のどこに自社を当て込むか?といったイメージではないでしょうか。

もちろんこの四象限でもポジションはひけますが、情報過多の昨今において4象限だけで差別化を図るのは困難でしょう。そこで、複数の要素を同時に使い、ポジショニング表を作れる戦略キャンバスについて解説します。

ここではで「ポジショニング戦略の作り方①&②」で導き出した要素を元に、競合と比較していきましょう

戦略キャンバスの作り方はこちら

ポジショニング戦略の作り方④:利益構造分解

仮に差別化ポイントが見えたとしても、赤字ではここまでの努力が水の泡です。

利益構造を分解し、財務目線で差別化ポイントが本当に正しいのか、シビアに確認することでポジショニング戦略を盤石にしましょう。

利益構造分解の方法はこちら

ポジショニング戦略の作り方#4 (利益構造分解)

ポジショニング戦略を作る時に気を付けるポイント

最後に、ポジショニング戦略全体を通して気を付けるべきポイントをご紹介します。

差別化は手段であること

前述した通り、差別化はあくまで手段です。

特に、戦略キャンバスは作っていくうちにパズルのような感覚になり「パズルを完成させることが目的」と勘違いを起こしやすいです。

事前に目的を言語化し、何のためのポジショニング戦略か確認しましょう。

競合との相対で決まること

「ブランディングとは」で解説した通り、ポジショニング戦略において競合の存在は重要です。

ただ、ここで競合を卑下したり、逆に「とても追いつけない…」と競合を過大評価することなく「事実は何か?競合は何を訴求しているのか?」を冷静に捉えましょう。

あくまで仮説であること

戦略とは「資源配分の最適化」を具体的にしたものであり、そこから実践に移行しなければなりません。

結論、重要なのは仮説と実行力のバランスです。俯瞰も大事ですし、現場で手と足を必死に動かすのも、両方重要なのです。

実現可能な範囲で差別化ポイントを見出しましょう。

言語化し、チーム・全社共通認識を持つこと

ポジション戦略がひけても、実際に実施するメンバーが「なんでこれが必要?」「現場は忙しいのに…」と”戦略の意義”に合意しなければ、仮説通りにはいきません。

PDF等に言語化した資料を作成し、メンバーが常に資料を確認できる、意義がわかっている状態を維持することも重要です。

ブランドエクイティはコントロール不可

ブランドエクイティは「消費者の頭の中」にあるため洗脳でもできない限り、完全にコントロールすることはできません。

例えば「ベンツのイメージは?」と問われた時「高級、優雅、上品」など、消費者毎にイメージの表現は異なるはずです。

他人はコントロールできない。当たり前のことですが、認識した上で仮説をひくのとでは大きな違いです。

最高を目指すとゼロサムになる

次の図をご覧ください。

これはハーバード大学経営大学院教授のマイケル・ポーター氏が定義したもの。

「最高のものを作ろう」とすると、ポジショニング戦略を意識せずにマーケティングを進めると、最終的に価格競争が起き、誰も儲からないことを示した内容です。

ここで言いたいことは「独自性が大事である」ということです。詳しい解説は、別途記事にして取り上げます。

本音と建前の確認

ポジショニング戦略構築時は、本音ベースで議論すべきです。しかし、実際に戦術へと移行する際は建前が必要となります。

前述した「言語化し、チーム・全社共通認識を持つこと」がここで活きてきます。「コレ、なんでやってるんだっけ?」と、実行者が不安なく走り切るためには、常に「なぜやるのか?=本音」を知っておくべきでしょう。

まとめ

改めて、言葉の意味と注意すべきポイントのおさらいです。

言葉の定義

  • ポジショニング戦略とは「消費者の頭の中にある競合との相対的な位置付けを目的とした、最適な経営資源配分の具体策」
  • 戦略とは「目的を達成するために資源(リソース)を配分する「選択」のこと」
  • ポジショニングとは「消費者の頭の中にある競合との相対的な位置付け」
  • ブランディングとは「ブランドエクイティーを築くための一連の活動」
  • ブランドエクイティとは「消費者の頭の中にあるブランドに対する一定のイメージのこと」

注意すべき7つのポイント

  • 差別化は手段であること
  • 競合との相対で決まること
  • あくまで仮説であること
  • 言語化し、チーム・全社共通認識を持つこと
  • ブランドエクイティはコントロール不可
  • 最高を目指すとゼロサムになる
  • 本音と建前の確認

最後に、「インサイトの見つけ方」についてご紹介です。

本ブログ運営元のWOWOWコミュニケーションズでは「定性データと定量データ」の分析から、精度の高いマーケティング戦略の提供を行なっています。

本稿でも取り上げた「ポジショニングの要素」「ブランドエクイティー」において、顧客の声は非常に重要な要素です。

顧客の声に向き合い、その結果生み出せたWOWOWコミュニケーションズの独自ノウハウ「インサイトの見つけ方」を、下記のリンクからダウンロードできます。ぜひ、ご覧くださいませ。

【ダウンロード資料】インサイトの見つけ方

フレームワークなどの参照元

この記事を書いた人

原澤 陽

合同会社HARAFUJI Co-Founder COO | 大学在学中の19歳より株式会社ギャプライズにてBtoCデジタルマーケティング、BtoBマーケティング、法人営業に従事。その後、チーターデジタル株式会社にて法人営業を経て、 現在は合同会社HARAFUJIの共同創業者として独立。BtoBマーケティングを中心とした戦略および戦術支援事業に従事している。登壇実績

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