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データマーケティング
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CXの向上・ファン化
WOWOWの目指す顧客理解
WOWOWでは、「お客様の行動ログをベースにした定量視点の分析」と、「お客様の生の声の定性視点の分析」の2軸の分析から、お客様のキモチを理解し、お客様が求めるコミュニケーションにつなげることを大切にしております。
行動ログからはお客様がとった行動がわかりますが、それだけでは「なぜ」その行動をとったのかは分かりません。そこで、お客様の声から「なぜ」を紐解き、お客様のキモチを知るために「WOWOWファンボイス」という仕組みを活用して、顧客理解に取り組んでいます。
WOWOWファンボイスとは
「WOWOWファンボイス」は、WOWOWにご加入中のお客様の中から選ばれたWOWOWファンだけを集めたアンケート組織のことです。WOWOWでは2015年から顧客理解のためにこの仕組みを導入しており、現在は約8,000人のお客様に月2回のアンケート調査にご協力いただいています。
WOWOWファンボイスの特徴は4つあります。
1つ目は、無償でアンケートにご協力していただいている点で、番組のクオリティ、サービスや編成へのご意見、WOWOWの満足度など、様々な内容にお答えいただいております。
※「ファンボイス」はWOWOWコミュニケーションズの登録商標です。登録第6184801号
2つ目の特徴は、回答率の高さです、通常のアンケートの回答率は15%~20%ほどですがファンボイスの回答率は約40%と高い回答率を誇ります。
3つ目の特徴は、回答内容の質の高さです。通常アンケートでは敬遠されがちなフリーアンサーでも、WOWOWファンボイスの皆様はご自身で感じた事や要望など、詳細にご回答いたけるため回答内容の質がとても高いことが特徴です。
このように、無償で、高い回答率で、質の高い回答を得られるのは、WOWOWファンボイスが元々WOWOWファンを選抜している点に加え、アンケートに回答することが意見表出の機会となり、「WOWOWをよりよくしていこう」という共創・貢献感に繋がっているためです。
4つ目の特徴は、景況の影響を受けないことです。コロナ禍で対面でのアンケートができなくなった場合でもWebアンケートを利用しているため影響を受けず継続的にお客様の声を収集することが可能です。
WOWOWファンボイス導入の背景
WOWOWに対するお客様の「声」は、さまざまなチャネル・ツールで届けられます。
【データを収集・分析するための3つの大きなチャネル】
① コンタクトセンター(コール・チャット・メール など)
② アンケート(満足度・NPS・イメージ調査 など)
③ SNS(ソーシャルメディア・口コミサイト など)
当社では20年以上に渡ってWOWOWのコンタクトセンターを運営していますが、デジタルの進化により、加入中のお客様からの入電は減少傾向にあります。「なぜWOWOWのことを好きでいてくれるのか?」は、企業側から能動的にお客様に尋ねいかないとわかりません。そこでWOWOWではWOWOWファンボイスにより、お客様の声をアンケートという形で収集・分析することにしました。
オンデマンドアプリのサービス改善
オンデマンドサービス開始当初、利用促進のための改善点をWOWOWファンボイスでアンケートしました。それまで社内ではアプリの利用が進まないことに対して「作品本数」や「ログイン手順」などが利用の阻害要因になっているのではないかという仮説を立てていました。
しかし、実際のお客様からの回答では、オンデマンドを「テレビで見たい」が上位となり、想定していなかったお客様のキモチを知ることができました。結果として、テレビでの視聴環境開発の決断につながりました。
景況の変化がもたらす、お客様にとってのWOWOWの新しい価値
2020年の新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言後にWOWOWの視聴についてWOWOWファンボイスで調査を実施しました。
質問内容は、大きく分けて2つです。
①コロナの影響で起きた生活の変化
②WOWOWの視聴に変化が生じたか
①コロナの影響で起きた生活の変化
回答者の約70%がコロナ前と比べて在宅時間が増えていると回答。
また、在宅中の過ごし方については、録画した番組や、リアルタイムでテレビを見ている方が多いことが分かりました。
②WOWOWの視聴に変化が生じたか
WOWOWの視聴については、回答者の40%が「増えた」と回答。
増えた理由をフリーアンサーで聞いてみると
・時間に余裕ができたことで、今まで興味のなかったジャンルを見る機会が増えた
・録画視聴が中心だった人たちもリアルタイムでの視聴が増えた
との声が多数見られました。
また、WOWOWに加入してよかったと感じた点についてもフリーアンサーで尋ねたところ、
・地上波がコロナニュースばかりという中で、WOWOWが普段通りの放送をしてくれたことが「救いであった」、「気分転換になった」
・コロナによる自粛ムードに気分がふさぎ込んでいたときに別の世界を感じられるなど、「WOWOWがありがたかった」、「癒された」という声が多くありました。
WOWOWの利用が増加した、というデータの背景には、フリーアンサーで得られたような「救い」「気分転換」「癒し」といったWOWOWに対するキモチがありました。
また、調査を実施した結果、+αの気づきがありました。このコロナという大きな景況の変化によって、お客様がWOWOWに感じられる価値の中に「癒し」という側面が生まれていたことです。企業側がスタイルを大きく変えなくても、周囲の変化によって、お客様が新たな価値を見出してくれていたことに「お客様の声」から気づくことができました。この分析結果を今後の番組制作や新規施策を検討する際の参考とできるようになりました。
テキストデータの分析 ~ファンボイスクラウド~
WOWOWファンボイスで分析するデータには、フリーアンサーが多く含まれます。フリーアンサーは定性データとして非常に重要なものですが、お客様のある意味予測できない回答はテキストデータとして蓄積され、そのままでは、数値データのようにかけ合わせた分析をすることはできません。そこで、フリーアンサーを分析する際に「タグ付け」という作業を実施しています。
「タグ付け」は、フリーアンサーを全て読み込み、どういった内容のことを言っているのか分類しその内容をタグとして振り分ける作業のことです。このタグ付けの作業をフリーアンサーの回答の数だけ繰り返すことで、予測ができなかったフリーアンサーに傾向や色があらわれ、詳しく分析することができるようになります。また、出現率を算出することでフリーアンサーを可視化することができるようになり、選択肢だけでは見ることのできない、お客様の真の声が全体の傾向として分析できるようになります。
このようにフリーアンサーの分析は重要ではあるものの、作業にかかる時間と他者に対する根拠の説明が難しい為、分析対象として避けられやすい傾向にあります。
そこで、2021年7月にWOWOWグループでは、よりテキストデータの分析を効率化するためのサービス「Fan Voice Cloud」をリリースしました
詳しくはこちら↓
関連サービス:Fan Voice Cloud(ファンボイスクラウド)
関連サービス:VOC分析(ファンボイス®)
WOWOW以外にも、広がるファンボイスの取り組み
ファンボイスの取組みはWOWOWだけにとどまらず、多くの企業様で実施しております。
DX化が進む昨今、行動ログだけではわからないお客様の「なぜ?」を知るために、WOWOWコミュニケーションズでは、それぞれの企業の業態や課題に合わせたアンケート設計、収集、分析、示唆のご提供をしております。
まずはお気軽にご相談ください。
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